やばい!土地家屋調査士試験まであと半年しかない!
今から本気でやれば受かるかな?
勉強方法とかスケジュールとか知りたい・・・
そんな疑問にお答えします。
こんにちは。ケンです。
私は半年の独学で一発合格した現役の土地家屋調査士です。
いきなりですが、先に結論から言ってしまいます。
「資格試験の独学をしたことがない人や民法の知識が全くない人は半年の独学じゃ無理」
いきなり夢をぶっ壊して申し訳ないのですがこれが現実です。
たしかに私は半年の独学で合格していますが、これにはいくつかポイントがあります。
私が半年の独学で合格できたポイント
- 受験前から行政書士や宅建の知識があった
- 独学で勉強することに慣れていた
- 短期集中型で勉強するのが得意だった
- フリーランスなので時間に融通がきいた
もともと頭が良いわけではありませんが完全にゼロの人よりは知識があったし、勉強にも慣れていました。
なので、私と同じことをすれば半年間で合格できるとは言い切れません。
短期間で合格したいなら、予備校を使って基本的な知識をさっさと覚えて早めに演習(過去問など)に取り組んだ方が賢いです。
この方法なら独学よりも受かる可能性がはるかに高いです。
または、最初から1年計画で勉強したほうがいいです。私の妻は未経験から1年間の独学を経て土地家屋調査士になっています。
参考:《土地家屋調査士》1年の独学で合格した勉強方法【完全初心者】
ただ、どの方法でも勉強の流れは大きくは変わらないので私の勉強方法をご紹介します。
この記事で分かること
- 半年で受かるまでのスケジュールや勉強方法
- 半年間勉強してみた感想
- 独学の私が予備校を使った方がいいと思う理由
こちらの記事は動画で見ることができます。
土地家屋調査士試験に半年の独学で合格した勉強方法&スケジュール
私のプロフィール
経験談を語る前に私のプロフィールを書いておきます。(受験当時)
- 30代男性
- 測量未経験
- 持っていた資格:行政書士、宅建、管理業務主任者
- 受験のきっかけ:知り合いの調査士が安定して稼いでいるのを見て、自分もそうなりたいと思ったから
- 最終学歴:高卒
- 記憶力:普通。特別なわけではない
ちなみにうちの妻も同じ年に試験に受かっています。この話はあとで出てきます。
半年で受かるまでの流れ
1月 | なし |
2月 | なし |
3月 | 土地の問題を見て吐き気がしたのでテキストを封印。現実逃避 |
4月 |
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5月 | 測量士補試験の試験後に調査士の勉強開始 |
6月 |
|
7月 | 東京法経学院の問題集で記述式の勉強 |
8月 | 過去問と記述式の演習問題 |
9月 |
|
10月 | ひたすら復習→本試験 |
まずは大まかなスケジュールから。かなりギリギリですね。
測量士補試験が終わった後に勉強をスタートしていますが、これはかなり遅いです。
本気で一発で受かりたい人は、もっと計画的にやったほうがいいですよ。
では、具体的な勉強方法を解説していきます。
今回は使用したテキストや勉強法しか解説していませんが、勉強を始める前に道具をそろえる必要があります。私が使ったものはこちらに書いています。
参考:【まとめ】土地家屋調査士試験の勉強が10倍はかどるオススメの道具たち
これから紹介するテキストは私が勉強していた当時に販売していたものです。基本的な勉強の流れは変わりませんが、今から勉強を始める人は最新のテキストや過去問を使うことをオススメします。
詳しくはテキストをまとめた記事を見て下さい。使い方も解説しています。
半年で受かるための勉強方法
択一の過去問を繰り返す(5月下旬~)
勉強時間:一日5時間
まずは、択一から手をつけます。試験の基礎的な知識は択一さえやっておけば何とかなります。
使った参考書は「楽学土地家屋調査士 一問一答」です。
全部で980問もあるので、初心者にはかなりボリュームがあります。
とにかく時間がないので隙間時間にテキストを繰り返し見ていました。仕事の合間や就寝前に読んでいたので睡魔との闘いでした。
この過去問を6~7割くらい覚えるまでひたすら繰り返します。
注意点ですが「楽学土地家屋調査士 一問一答」は現在は販売をしていません。日建学院から似たような問題集が出ているので、書店やネットで手に入れたい人はこちらを使えばいいと思います。
ちなみに現在は東京法経学院から択一の問題集が販売されています。私が使ったものよりもボリュームがあるので、今から買う人は東京法経学院をオススメします。
詳細はこちらから。
参考:【土地家屋調査士試験】択一の勉強方法&対策まとめ《半独学がオススメ》
※これ以降は記述式の勉強に入りますが択一の勉強も隙間時間に継続的にやっています。定期的に復習しないと忘れてしまうので気を付けてください。
記述式の基礎を勉強(6月上旬)
勉強時間:一日5時間以上
6月からは記述式の勉強に入ります。まずは基礎から・・・
テキストは「土地家屋調査士試験 登記申請書と添付図面(法学書院)」を使いました。
記述式の問題に出てくる申請書と図面の知識をまとめた本です。内容をざっくりと理解するだけでいいので1周しかしていません。
※こちらのテキストは2024年9月現在で絶版しています。市販のテキストで学習したい人は下記のテキストでもOKです。
次に関数電卓の使い方を勉強をします。
試験では関数電卓を使うのでまずはテキストを読んで使い方を勉強しました。
使ったテキストは「土地家屋調査士試験 関数電卓必勝活用術 (日建学院)」です。
テキストで紹介されている関数電卓と私が使っている関数電卓の機種が違いましたが公式などは大きくは変わらないので参考になりました。
複素数で解く!関数電卓による測量計算(kindleで無料)
ちなみに先ほどの「関数電卓必勝活用術」には複素数に関する解説がありません。調査士試験に一発合格したいなら複素数を使いこなせないとかなり厳しいです。
複素数について知らない人は下記の記事を読んでください。
参考:【土地家屋調査士】複素数を使って最短で試験に合格する方法|F-789SG-SL(キャノン)
ただ、このテキストには試験で使う基本的な数学の知識についての解説があるので基礎知識がない人は読んでもいいです。
複素数の解説については、アガルートアカデミーの中山先生が書いた「複素数で解く!関数電卓による測量計算」をオススメします。
通常は1,250円するのですが、Kindle Unlimitedの会員なら無料で読めます。
Kindle Unlimitedは月額980円なので普通に買うよりもKindle Unlimitedの会員になってダウンロードした方が安いです。(次の更新日までに解約すればOK)
建物・土地の問題を解く(6月上旬~7月下旬)
勉強時間:一日5時間以上
基礎が終わったのでいよいよ問題集を解き始めます。
「土地家屋調査士 記述式合格演習テキスト(東京法経学院)」を使いました。
東京法経学院のテキストです。この問題集は普通建物と区分建物が各20問、土地が30問あります。
まずは比較的解きやすい建物を終わらせて、その後に土地の問題にとりかかりました。
このあたりが一番苦しかったですね。土地の計算問題が難しすぎて何度も挫折しそうになりました。
記述式の勉強方法をはネットにある情報で独学しました。
約1ヵ月半で問題集を解き終え、7割くらいは理解できるようになりましたが、計算は遅いし理解力も低かったです。
深追いはせずに、とりあえず駆け足で終わらせた感じです。ちなみにこの時期に東京法経学院の模試を受けています。
結果は択一17.5点、記述21点でD判定です。
土地の解答用紙はほぼ白紙です。土地については過去問すら解いていない段階なので当たり前ですが(笑)
この時期にこの点数はかなり厳しい(というか絶望的)ですが、結果的に合格しているので何とかなるものです。
余談ですが、私は東京法経学院の模試を受けましたが、他の学校でも受けられます。
詳しくは下記の記事をどうぞ。
記述式の過去問(7月下旬~8月上旬)
東京法経学院の問題集が終わったので過去問にとりかかります。
過去問は「土地家屋調査士 記述式過去問(日建学院 )」を使いました。
8年分を一気に解きましたが、まともに解けた問題は一つもありませんでした。
まず、時間が全然足りない。土地の計算問題が意味不明。
「これは無理かもしれないなぁ・・・」とかなり不安になりました。
本気で挫折しそうになりましたが、とにかく手を動かして問題を解きまくります。
過去問は初見では全く意味が分からないのですが解答を見れば解き方が分かります。
解答を見た後の2回目以降はサクサク解けるので、全体的には2~3周した程度です。
あとは苦手なところだけを繰り返したり、計算方法だけを確認して忘れないように気を付けていました。(計算式や解き方を考えてすぐに解答を見る感じです。実際に計算すると時間かかかるためです)
記述式の演習問題と択一の復習(8月中旬~9月下旬)
勉強時間:10時間以上
この時期から本気で勉強漬けになっています。本業を控えめにしてひたすら勉強です。(このようなやり方は一般的なサラリーマンの方には無理かもしれません)
過去問が終わったので、東京法経学院の問題集の復習をします。復習の後はちょっとレベルアップした問題を解き始めます。
使った問題集は「楽学 土地家屋調査士 記述式セミナー(住宅新報社)」です。
※こちらの問題集は21.4/19時点では新品の販売をしていません。他にも問題集は売っているので別のものを使ってもいいと思います。
この問題集は土地17問、普通建物9問、区分建物9問という構成です。
毎日、土地を2問、建物を3問くらい解いていました。記述式の勉強に時間がかかるので択一の勉強をする暇がありません。
そのため寝る前や、記述式の勉強に飽きた時などに択一のテキストを見ていました。
実践答練(9月下旬~本試験前)
勉強時間:10時間以上
この時期は廃人レベルで勉強をしていました。食事とトイレとお風呂の時間以外はひたすら勉強です。
9月下旬(本番の1ヵ月前)からは東京法経学院の実践答練を解き始めました。
私は予備校には通わずに独学で合格しているのですが、実は東京法経学院の答練を9回分だけメルカリで買っています。(本当は全14回あります)
途中で試験勉強をあきらめた人が出品していたものだと思います。
市販の問題集だけだと問題の数が少なすぎて圧倒的に演習が足りませんでした。
答練や模試については下記の記事で詳しくまとめています。
この実践答練を本番どおりに解きつつ、これまで解いてきた問題集や択一の復習も同時進行です。
ちなみに復習をする時には図面は書いていません。申請書は重要な部分だけを殴り書きです。
週に2回くらい図面を書けば忘れないので毎回書かなくてもいいと思います。最初から最後までキッチリ書くのは時間がもったいないので。
本試験→合格発表
いよいよ本番!
択一を30分以内で解くつもりが実際は40分もかかってしまいました。
しかも土地の計算にも時間がかかってしまい、かなり焦りました。とにかく時間が足りなかったですね。
試験終了時には「これは落ちたな~」って本気で思っていました。それくらい自信がなかったですね。
結果的には択一45点、記述式40点で合格していますが、もう少し演習ができていればもっと余裕をもって受験できたような気がします。(反省)
当日の流れについて知りたい方はこちらに書いています。
半年で合格した感想
1年計画が無難
この試験は難易度が高いというより、問題に慣れるまでに時間がかかります。(とくに土地の問題が難しすぎる)
なので半年の独学で合格するのは結構きつかったです。
勉強期間が半年となると、「やっと勉強のコツをつかんできたな」という時期に本番になります。
個人的には1年計画で勉強した方が無難だと思いましたね。
※ちなみにうちの妻は1年の独学で合格しています。
参考:《土地家屋調査士》1年の独学で合格した勉強方法【完全初心者】
勉強に慣れていないときつい
賛否両論あると思いますが・・・
宅建、行政書士、司法書士などの法律系の資格試験を受験したことがないなら半年で合格するのは無理ですね。
民法の基礎知識があるなら受かる可能性はありますが、ゼロから始めるなら廃人レベルで頑張らないと半年の独学では厳しいです。
最低でも、一日10時間以上の勉強を半年間続ける覚悟は必要ですね。
でも、普通のサラリーマンが一日10時間も勉強するなんて無理ですよね。
私は5~7月までは一日5時間くらい、それ以降は一日10時間以上勉強していましたが、これは元々フリーランスで働いていたからできていたことだと思います。
自由な時間が少ないサラリーマンにはやっぱりきついです。
初心者は予備校を使うべき理由
【重要】勉強方法が分からないのは大問題
初心者が本気で短期合格を目指すなら予備校は積極的に使った方がいいです。
理由はムダな勉強をせずに済むからです。土地家屋調査士試験はネットで調べても情報が少ないし、テキストの選択肢も限られています。
情報収集が難しいので独学での勉強がやりにくいのです。
参考:土地家屋調査士試験の独学が無理と言われる4つの理由《体験談あり》
私の場合は妻が試験の1年前から調査士試験の勉強をしていたので、それに習って勉強をしていました。
それから、知り合いに調査士が何人かいるのでアドバイスを受けやすかったのもよかったですね。
おかげでテキストを調べる時間などは大幅に短縮できました。
ですが、普通はどうやって勉強をすればいいのか分からないと思います。
勉強方法を調べる段階からだと半年で合格するのはかなりきついです。
予備校を使ってさっさと基礎的な勉強を終わらせて演習に入るのが一番の近道だし安全ですね。
知識が完全にゼロの状態の人が半年前から独学を始めて合格するのは難しいです。
予備校を使ったほうが効率がいい
最近の予備校は価格競争が起こっており、ひと昔前よりは格安で授業が受けられるところがあります。
大まかな相場は20~50万円程度でしょうか。
20万円くらいなら調査士事務所で1ヵ月働けば余裕で回収できますね。
頑張ればフリーターでも1ヵ月で稼げる金額です。
試験に合格して土地家屋調査士として働いて、実際にスキルを身に着けてしまえば独立も可能です。
独立すればサラリーマンの平均月収よりは稼げるようになるので、初期投資として予備校代くらいは払った方がいいと思います。
土地家屋調査士として独立した場合の報酬(相場)
- 境界確定測量:30~50万円。広い土地なら100万円を超えることもある
- 建物表題登記:一棟で8万円~くらい
- 建物表題部変更登記:一件5~10万円
※報酬には地域差があるので注意。都会のほうが田舎より報酬が高いです。
さっさと受かって独立してしまえばサラリーマン生活をするよりは楽に生活できます。
ハッキリ言って独学にこだわって何年も落ち続けるのはバカらしいです。何年も落ち続けている人を何名か知っていますが、本当に勉強の効率が悪いです。
そのような人たちに限って独自の方法で勉強を続けていることが多いです。
この記事を読んでいるあなたも、そのような時間のムダをしないように願っています。
こちらの記事で予備校の料金を比較しているので気になる方はどうぞ。
まとめ
最後にこの記事のまとめをします。
- ガチの初心者が半年で合格するのは厳しい
- 半年の独学で合格を目指すなら1日10時間以上は勉強する必要がある
- 初心者が短期合格を目指すなら予備校を使ったほうがいい
- 予備校の費用は1ヵ月働けば回収できる価格
結論としては、半年で合格したいなら予備校を上手く使って効率よく合格するのが一番の近道だと思います。
参考:【土地家屋調査士】独学で合格した私が予備校をオススメする理由
予備校=料金が高いというイメージを捨てて、積極的に利用するべきですね。
受講料については国から補助が出ることもあるので、それらの制度を上手く使ってサクッと受かってしまいましょう。
参考:土地家屋調査士|教育訓練給付制度の解説と対象となる講座《簡易診断あり》
ちなみに完全に独学でも10万円くらいはかかります。
参考:【土地家屋調査士試験】独学をする場合にかかる費用まとめ
やっぱり半年の勉強で合格するのは結構きついです。
私は前知識があったので成功しましたが、そうじゃないなら相応の覚悟をもって挑んでください。
最低でも一日10時間以上勉強することです。それができれば可能性はゼロではないので頑張ってください!
今回の記事はここまでです。