土地家屋調査士じゃ食えない?実際の仕事内容と報酬額を紹介!

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法律系の資格を調べていたら、土地家屋調査士という職業があることを知った。

需要があって結構稼げるという話を聞いたけど、本当なのかな?

実際の仕事内容と報酬額が知りたい!

 

このような疑問に答えます。

土地家屋調査士は30~40代で独立開業する人が多い職業です。

私自身も30代で試験に合格をして転職をしています。ちなみに私は個人事務所で一年半の間働いた後に独立開業しています。

独立経験のない人にとっては、実際にどれくらい稼げるのかよく分かりませんよね。

今回は下記のようなテーマでお話していきます。

 

この記事で分かること

  • 土地家屋調査士の詳しい仕事内容と報酬額
  • 稼げる人と稼げない人の違い
  • 開業で失敗した場合の転職先
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 土地家屋調査士の平均年収

土地家屋調査士の平均年収は480万円程度です。(2010年12月~2015年11月のリクナビNEXTのデータによる)

年収が480万円というのは、月の手取りなら30万円くらいですね。

私自身も土地家屋調査士として雇われていたことがあるのですが、働いていた事務所の給料はこんな感じでした。

  • 未経験の補助者(1~2年目):年収300万円(手取りは20万円/月くらい)
  • 測量経験者(現場を任せられるレベル):年収640万円(手取りは40万円/月くらい)

未経験だとしても割と高い給料がもらえるような印象です。

ただ、給料の良し悪しは事務所によって差が大きいので一概には言えないですね。

独立開業した場合に稼げる額

土地家屋調査士として稼ぐためにかかる費用

土地家屋調査士は基本的には独立開業型の資格です。なので、収入は受注する仕事量に比例します。 

経費以外の報酬は全て自分の給料になるってことです。

土地家屋調査士として稼ぐための経費はこんな感じです。

  • 調査士会費
  • CAD・器械(トータルステーション)のリース代
  • 申請書作成ソフトの月額料金
  • 請求入金管理ソフトの月額料金
  • ガソリン代
  • その他(ファイルや印刷用紙など)

合計:10万円/月くらい

土地家屋調査士は測量の器械や図面を書くためのソフト(CAD)が必要なので経費が高いですね。

最低でも10万円以上は稼げないと赤字になります。

具体的な仕事内容と報酬額

ここからは実際の仕事内容と報酬額を紹介します。

報酬額は土地家屋調査士会連合会の報酬ガイドを参考にします。(全国平均)

参考:報酬ガイド(pdfが開きます)

手続き完了までにかかる時間と仕事の辛さ(★5で評価)も紹介しておきます。

※個人的な意見です。

土地地目変更登記

  • 報酬額(全国平均):44,244円
  • かかる時間:1ヵ月以内
  • 仕事のきつさ:★☆☆☆☆

土地の地目(=種類)を変える手続きのことです。

土地の売買とか、銀行から融資を受ける場合に行われますね。

「今からちゃんとした契約をするから、謄本と現地の状況を同じにしておきなさいよ」ということです。地積更正や分筆が一緒に行われることもあります。

他の登記よりは手続きが簡単なので素人でも申請しようと思えばできます。(一発で通る可能性は低いけど)

主な作業内容

  • 資料集め
  • 現場の写真撮影
  • 申請書・調査報告書の作成

詳しい仕事内容はこちら。

参考:【土地家屋調査士のお仕事】地目変更登記ってどうやるの?

土地合筆登記

  • 報酬額(全国平均):47,259円
  • かかる時間:1ヵ月以内
  • 仕事のきつさ:★★☆☆☆

隣り合った2つの土地を、謄本上で1つの土地とする登記です。細分化した土地をまとめて管理したいという時に手続きを行います。

土地合筆登記には測量はないので、素人でもやろうと思えばできます。ただ、地積測量図を確認したり、合筆できるかどうかを確認する作業は専門知識が必要です。(合筆できる条件は結構複雑です)

主な作業内容

  • 資料集め
  • 現場の写真撮影
  • 申請書・調査報告書の作成

土地分筆登記

土地の条件は上の画像の通りです。この場合の全国平均です。

  • 報酬額(全国平均):480,988円
  • かかる時間:早くて2~3ヵ月(広さや作業量による)
  • 仕事のきつさ:★★★★★

分筆登記とは自分の土地を2つに分ける手続きのことですね。

広い土地を分けて複数の人に売りたい場合などに行います。

分筆登記には主に2パターンあります。

  1. 境界確定測量をした後に分筆登記をする場合
  2. 境界確定測量を省略して分筆登記をする場合

境界確定測量の省略には厳しい決まり事があるので、基本的には境界確定測量をした後に土地の分筆登記をします。

境界確定測量とはお隣さんと自分の土地の境目(=境界)をハッキリとさせることですね。

自分のところの土地を分けるだけなのにわざわざ境界確定測量なんていらないでしょ!・・・と思うかもしれませんがそれは間違いです。

分筆登記をする時には法務局に地積測量図(=土地の図面)を提出する必要があるんですよね。

この図面には自分の土地の範囲(面積)が載っています。

自分の土地の範囲を決める=お隣さんとの境界も決まるということです。

なので、こちらが勝手に境界を決めるわけにはいかないのです。

境界確定測量の作業が大変なので分筆登記の費用も高額になります。

分筆登記は測量をする必要があるので素人には100%無理です。

高額ですが土地家屋調査士に依頼するしかないですね。

主な作業内容

  • 資料集め
  • 現況測量
  • 隣地・市・県などに立合いのお願いをする
  • 実際に立合いをする
  • 境界標の設置
  • 確定測量図の作成
  • 分筆点の計算、境界標の設置
  • 現場の写真撮影
  • 地積測量図の作成
  • 申請書・調査報告書の作成

 

詳しい作業はこちらに書いています。

参考:【土地家屋調査士のお仕事】分筆登記ってどうやるの?

ちなみに地積更正登記も境界確定測量から始める必要があります。なので、分筆登記と費用は同じくらいです。

地積更正登記とは、謄本に載っている地積(=土地の面積)を現況に合わせて変更することです。

境界確定測量

  • 報酬の相場:30~50万円
  • かかる時間:早くて2~3ヵ月(広さや作業量による)
  • 仕事のきつさ:★★★★★

報酬ガイドには載っていないのですが、境界確定測量を単体で行う場合もあります。

この場合の相場は30~50万円くらいです。

売買の前に行われることが多いですね。詳しい作業はこちらに書いています。

参考:【土地家屋調査士のお仕事】境界確定測量って何だろう?

建物表題登記

  • 報酬額(全国平均):81,676円(2階建の住宅)
  • かかる時間:早くて1~2ヵ月(工事の進捗状況による)
  • 仕事のきつさ:★★☆☆☆

建物が新築した場合に行う手続きです。ここで紹介している報酬額は2階建の住宅の場合です。階数が増えれば報酬も高額になります。

そこまで難しい登記ではないので自分でやってしまう人もいますね。

複雑な形状の建物でなければ素人でもできます。ただ、一発で登記官の審査を通ることはほとんどないと思います。

それから、土地家屋調査士以外が申請した場合はほぼ間違いなく現地調査が行われます。

現地調査というのは登記官が実際に現場を確認する作業の事ですね。

土地家屋調査士が申請する場合はミスが無ければ一発で通るし、登記官による現地調査もありません。(専門家だから当たり前ですがw)

建物表題登記はその後に抵当権設定が控えていることが多いので、急いで登記を完了させる場面が多いです。

なので、普通は土地家屋調査士が代理で申請しますね。

主な作業内容

  • 資料集め
  • 現場の写真撮影・建物の測量
  • 建物図面・各階平面図の作成
  • 申請書・調査報告書の作成

詳しい作業はこちらに書いています。

参考:【土地家屋調査士のお仕事】建物表題登記ってどうやるの?

建物滅失登記

  • 報酬額(全国平均):45,911円
  • かかる時間:早くて1~2ヵ月(工事の進捗状況による)
  • 仕事のきつさ:★☆☆☆☆

建物を取り壊した場合に行う手続きです。作業が簡単なので素人でもやろうと思えばできます。

ただし、地図や地積測量図・建物図面などを見て、実際に取り壊された建物の確認をする必要があります。

法務局で登記相談をすれば教えてくれると思いますが、場所によっては素人は門前払いされることがあるので注意です。

主な作業内容

  • 資料集め
  • 現場の写真撮影
  • 申請書・調査報告書の作成

建物表題部変更登記

  • 報酬の相場:6~10万円
  • かかる時間:早くて1~2ヵ月(工事の進捗状況による)
  • 仕事のきつさ:★★☆☆☆

建物を増築したり、一部取り壊した場合に行う手続きです。

あとは建物の種類や構造が変わった場合にも行いますね。

報酬ガイドには載っていませんが、相場としては6~10万円くらいです。

種類や構造変更の手続きなら簡単なのですが、増築や取り壊しの場合は建物図面と各階平面図を提出する必要があるので費用が高くなります。

主な作業内容

  • 資料集め
  • 現場の写真撮影・場合によっては測量
  • 各階平面図・建物図面の作成(床面積が変わる場合)
  • 申請書・調査報告書の作成

(補足)報酬額が高い理由

土地家屋調査士の報酬額は素人から見ればかなり高額に見えますよね。この理由について補足をしておきます。

土地家屋調査士の報酬額が高い理由

  • 測量をする器械の維持費が高いから
  • 測量には専門知識が必要であり、素人には出来ない作業を代理で行っているから
  • 測量には時間がかかるから
  • 現場作業が多いので労力が必要だから
  • 登記を目的とする測量は土地家屋調査士じゃないとできないから

こんな感じですね。

土地家屋調査士として仕事をするためには、それなりの費用と労力がかかっています。

器械のリース代も高いし、資料を集めたりする作業も結構大変なんですよね。

素人から見れば「ぼったくり」に見えるかもしれませんが、個人的には妥当な金額だと思いますね。

独立開業してから稼げるようになるまでの流れ

ここまで土地家屋調査士の仕事内容と報酬額を紹介してきました。

土地家屋調査士の報酬は他の士業に比べると高めに設定してあるので、頑張れば月収100万円は超えます。

1ヵ月の仕事の例としてこんな感じですね。

  • 境界確定測量:新規が2件
  • 建物表題登記または建物表題部変更登記:新規2件~
  • その他の登記:新規2件~

これくらいの仕事が毎月来れば月収80万~100万円くらいにはなります。

開業してから稼げるようになるまでの流れはこんな感じです。

  1. 土地家屋調査士試験に合格(※)
  2. 土地家屋調査士事務所に就職
  3. 1~2年ほどの実務経験を積む
  4. 事務所を退職
  5. 土地家屋調査士として登録(※)
  6. 必要な道具(器械など)を揃える
  7. 知人の紹介や営業などで仕事をとってくる

※土地家屋調査士の合格・登録は就職前でも退職後でもどちらもでいいです。独立前に試験に合格していればOK。登録も同じです。

 

土地家屋調査士は測量の知識が必要なので実務経験が必要になります。詳しくはこちらに書いています。

参考:土地家屋調査士は実務経験なしでも開業できるの?経験者が解説します《100%無理ではないです》

開業で失敗するケース

土地家屋調査士は仕事が軌道に乗れば稼げることは間違いないです。

ただし、開業すれば誰でも稼げるようになるというわけではないので注意。

全然稼げなくて廃業してしまう人も少なからずいます。

なぜ、開業が上手くいかなかったのか・・・私なりの意見ですが、いくつかご紹介します。

田舎は都会よりも稼げない

都会で実務経験を積んで、いつかは地元で開業したいな・・・と考えている人もいると思いますが、開業する場所が田舎すぎるパターンは要注意です。

田舎は都会よりも稼げません。理由は3つあります。

仕事量が少ない

土地家屋調査士の仕事は土地や建物の売買が盛んにおこなわれている場所に多いです。

ですので、人口が多い都会のほうが仕事がたくさんあるのです。

逆に言えば、田舎には仕事が少ないということですね。当たり前ですが、仕事がなければ稼げません。

その地域の需要を確認したいなら、土地家屋調査士の求人情報を見てみるといいですよ。

求人が出ているなら土地家屋調査士が足りていない=需要があるという指標になると思います。(あくまでも目安ですが)

老舗の調査士事務所がある

田舎の場合は昔からその地域で開業している老舗の調査士事務所が存在していることが多いです。

その地域の調査士業務はその事務所が請け負っていることがあります。

このような閉鎖的な地域で新規開業しても仕事を回してくれないことがあります。

強いコネがない場合は田舎に開業するのはオススメしません。

田舎は報酬額が低い

そもそも田舎の報酬額は都会の報酬額よりも低い傾向があります。

金額の差が大きいのは土地の測量が絡んでいる登記ですね。(分筆登記や地積更正など)

例えば、東京と新潟の分筆登記の報酬額には約2倍の差があります。

平均値
東京 ¥658,373
新潟 ¥321,018

詳しくは公式の業務報酬統計資料を見れば分かりますが、地方に行くほど報酬額が下がります。

土地家屋調査士の報酬額は地価と相関関係にあることが多いです。

なので、地価が高い市街地のほうが報酬額が高くなりやすいですね。(例外もあるので注意)

値引きをしすぎてはいけない

土地家屋調査士は不動産会社や銀行の下請けという印象が強いです。

なので、費用の値引き交渉をされる場合がたまにあります。

こちらとしては、仕事を回してくれる取引先とは長い付き合いがしたいので、強く断れないこともあります。

ある程度の値引き交渉には応じてもいいですが、行き過ぎると報酬額を上げづらくなります。

このように安く買いたたかれている土地家屋調査士も結構多いです。

薄利多売の状態になっており、いくら働いても全然裕福になれないわけですね。

営業が得意ではない

土地家屋調査士は他の士業に比べれば営業スキルはそこまで必要ないのですが、完全に不要というわけではないですね。

不動産業や士業の集まりでは、ある程度は会話ができないと新しい仕事をもらえる機会がなくなります。

どうしても営業をしたくない場合は、公嘱(=公共嘱託登記)を受けるという手もありますが、一度公嘱を受けると民間の業務に戻りにくくなるので注意です。

※公共嘱託登記とは、官公署等(県や市)が行う不動産の表示に関する登記に必要な調査、測量のことです。簡単に言うと県や市に依頼をされて行う測量のことですね。

開業で失敗しても再就職しやすい

仮に、土地家屋調査士の開業で失敗した場合でも再就職ができます。

再就職先は不動産会社・測量会社が多いですね。建築コンサルタントになる人もまれにいます。

この資格は割とつぶしが効くので、持っておいて損はないです。

もちろん、雇われの土地家屋調査士になってもOKです。

働く場所次第ですが、開業経験がある人なら月の手取りで30万円前後はもらえることが多いと思います。

そこで人脈を作りつつ、機会があったら再び開業・・・というパターンもありですね。

働きながら他の資格を取得しても良いと思います。土地家屋調査士との相性がいい資格はこちらに書いています。

参考:ダブル受験可能!土地家屋調査士と相性が良い資格と悪い資格を紹介!

土地家屋調査士は30~40代で取得する人が多いので、独立志向がある人は試験に挑戦してみてください。

ちなみに、私は30代の未経験から試験に一発合格して開業しています。

参考:【土地家屋調査士】半年の独学で合格した勉強方法&スケジュール

【土地家屋調査士】半年の独学で合格した勉強方法&スケジュール
5月から勉強を始めて合格した私の記録です。勉強期間は約半年。廃人レベルで頑張れば受かります。

今回の記事はここまでです。

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