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土地家屋調査士は副業として稼げるのか?《現役の調査士が解説します》

 

土地家屋調査士って副業でも稼げるの?サラリーマン生活をしながら調査士業務もできるかな?

不動産や法律関係の知識が少しあるけど、これを生かした副業がしたい

 

このような疑問に答えます。

結論から言えば、サラリーマンの副業で土地家屋調査士をするのはほぼ無理です。

無理な理由はこちら。

  • スケジュール的に無理
  • コストがかかる
  • 簡単な仕事ばかりは選べない

こんな感じですね。では、詳しく解説していきます。

 

ケン
ケン

この記事を書いているのは現役の土地家屋調査士です。私自身は行政書士と土地家屋調査士の兼業をしています。

参考:【土地家屋調査士】半年の独学で合格した勉強方法&スケジュール

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土地家屋調査士を副業にできない理由

スケジュール的に無理

副業として土地家屋調査士をして稼ぐなら、本業が休みの日に調査士業務をすることになりますね。

いきなり結論ですけど、この状況での副業はほぼ100%無理です。特に土日祝が休みの人はこの時点で詰んでますね。

というのも、調査士業務は平日の午前~夕方にやることが多いんですよね。

この時間帯に仕事をする理由は、業務上絡むことが多い役所や業者の営業時間にこちらの活動時間を合わせているからです。

平日の日中に電話が鳴りまくる

登記の申請では業者間で書類のやり取りをすることがかなり多いので、平日の日中に電話がかかってくることが多いです。

ですが、本業の仕事中に電話をとるわけにはいかないですよね。

会社の中でコソコソと折り返すのも怪しいです。こんな状況では仕事がスムーズに進みませんし、取引先に迷惑がかかります。

それから、土地家屋調査士は法務局や市役所などの役所に行くことが多いです。

これらの開庁時間は平日の朝9時~夕方5時ごろなので、この時間帯に自由に動ける状況でないと仕事になりません。

とくに市役所(区役所)は調査士業務のオンライン化が全く進んでいないので、直接足を運んで書類のやり取りをする必要があります。

コストがかかる

土地家屋調査士は初期費用や月々の維持費が高めです。

初期費用はだいたい80~100万円ほどで、月額でかかる費用は8万円~ですね。(CADのリース代や調査士会の会費など)

これって結構高いですよね。

副業として土地家屋調査士をする程度の収益でこれらの支出分を回収できるとは思えません。

最低でも土地の測量を毎月1件以上はとれないと安定して稼げないので、副業でやるレベルの人が器械や道具をそろえても損をするだけだと思います。

簡単な仕事ばかりは選べない

調査士業務には主に建物の登記と土地の登記があります。(それぞれの測量を含む)

建物の登記は現場作業が少ないので割と簡単です。しかも高額な器械もいらないので出費が少なくて済みます。(レーザー距離計とメジャーがあれば測れる)

現場での作業時間も土地に比べればかなり少ないので仕事時間も短くて済みます。

「だったら、土地の登記を断って、建物の登記だけを専門でやれば稼げるのではないか?」と思うかもしれませんがこれは間違いです。

建物の登記ばかりを受注するというのは基本的には無理です。というのも、土地家屋調査士は仕事を自由に選べるような強い立場ではないんですよね。

詳しい仕事内容についてはこちらに書いています。

参考:土地家屋調査士じゃ食えない?実際の仕事内容と報酬額を紹介!

建物の登記=ご褒美?

建物の登記は他の作業に比べて仕事が楽だし報酬が高いので、普段からお世話になっている土地家屋調査士に回す・・・という暗黙の了解のようなものがあります。

とくに建物表題登記に関してはこの傾向が強いです。

つまり、土地の測量は絶対に断るような調査士に建物の登記だけを回す業者はあまりいないということです。

これは建物の登記に限った話ではなく、他の業務でも同じですね。

土地家屋調査士の仕事の多くが土地の測量(=時間がかかる)が絡んでいるので、それを断るなら他の仕事も来なくなる可能性があります。

とくに依頼が多いのは境界確定測量ですが、この業務はサラリーマンの副業でやれるレベルではないので無理ですね。

体力的にもほぼ不可能です。下手したら過労死します。

参考:土地家屋調査士の仕事がきついのは本当!でも転職するメリットも多め!

土地家屋調査士は副業は無理だけど兼業はできる

ここまでのまとめ

  • 平日の日中に活動ができないなら調査士業務はできない
  • 土地家屋調査士の仕事をするなら出費が多い→これを回収できるほどの収益を上げるのは副業では無理なのでは?
  • 簡単な仕事ばかりを選べる立場ではない

こんな感じで、土地家屋調査士をサラリーマンの副業とするのは無理ってことですね。

ただし、例外があります。

本業が行政書士や司法書士のパターンです。

これらの業務を行いながら調査士業務をやることはできます。この場合は「副業」というよりは「兼業」と言ったほうがいいですね。

  • 行政書士の場合・・・農地転用と土地地目変更登記
  • 司法書士の場合・・・相続登記と建物滅失登記

このようにセットで仕事をすることができるんですよね。この流れはよく見ます。

土地家屋調査士には相性がよい資格があるので、兼業を考えている人はこちらをどうぞ。

参考:ダブル受験可能!土地家屋調査士と相性が良い資格と悪い資格を紹介!

それから、副業として土地家屋調査士をするのは基本的には無理ですが、この話はあくまでも会社勤めのサラリーマンの話です。

自由な時間が多い仕事をしている人なら可能です。

例えば、フリーランスで仕事をしている人は土地家屋調査士との兼業もできると思います。

ただし、現場経験がない人はいきなり測量をするのは無理なので気を付けてくださいね。

参考:土地家屋調査士は実務経験なしでも開業できるの?経験者が解説します《100%無理ではないです》

土地家屋調査士は実務経験なしでも開業できるの?経験者が解説します《100%無理ではないです》
試験合格後にいきなり開業することはできるのか?現役の土地家屋調査士が色々なパターンを紹介しています。

(補足)アルバイトとしてなら副業できるかも

土地家屋調査士を副業にするのはかなり無理がありますが、単発のアルバイトとしてなら雇ってくれる事務所があるかもしれません。日当は1万円くらいですね。

たまに「週2~OK」という求人を見かけるので、気になる人は応募してみてください。

ただし、単発のバイトで補助者をするなら、ほぼ間違いなく現場作業をすることになります。

かなり体力を使うので自信がない人はやめておいたほうが無難です。

(※下手したら過労死します)

今回の記事はここまでです。

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