【土地家屋調査士のお仕事】分筆登記ってどうやるの?

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今回は分筆登記の解説です。読んで字のごとく、土地を割る登記ですね。例えば100坪の土地を売りたいなぁ、と考えている人がいるとします。でも、100坪だとあまりにも大きいし、金額が高くなってしまうので売れにくいですね。狭すぎても売れませんが、広すぎるのも問題なのです。

なので、50坪ずつに分けて二人のお客さんに売りたい…という時に分筆登記をするわけです。分筆登記は土地家屋調査士のお仕事です。測量士には委任できません。また、たまに自分で登記したいという人がいますが、この登記は測量が絡むので素人の方には無理だと思います。

なんとなくイメージはつくと思いますが、実際にはどのような手順で仕事を進めていくのかを今回は解説していきますね。

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基本的な流れ

分筆登記には主に2パターンあります。

①境界確定測量をした後に分筆登記をする場合

②境界確定測量を省略して分筆登記をする場合

基本的には境界確定測量をした後に土地の分筆登記をします。境界確定測量とはお隣さんと自分の土地の境目(=境界)をハッキリとさせることですね。詳しくはこちらに解説しています。

【土地家屋調査士のお仕事】境界確定測量って何だろう?
具体的な仕事内容を詳しく説明しています。

分筆登記をする場合でも境界確定測量をする必要があります。自分のところの土地を分けるだけなのに何で?って思うかもしれませんが、分筆登記をする時には法務局に地積測量図(=土地の図面)を提出する必要があるんですよね。

この図面には自分の土地の範囲(面積)が載っています。自分の土地の範囲を決める=お隣さんとの境界も決まるということになります。なので、こちらが勝手に境界を決めるわけにはいかないのです。

境界確定測量を省略できる?

境界確定測量を調査士に依頼すると30万円以上はかかります。なのでこれを省略できるならやりたくないですよね?省略した方がお金が節約できます。

ただ、省略には結構厳しい条件があります。

  • 法務局備え付けの14条地図がある
  • 申請地に世界測地系の地積測量図がある
  • 以前、境界確定測量をしたことがある

他にも色々あるのですが、ざっくり言えばこんな感じです。簡単に言うと、その土地を過去に測量した実績があるので改めて測量しなくてもいいですよ~ということですね。ただ、これらをクリアするにはいくつか条件があるので事前に法務局の登記官に相談する必要があります。

たいていの場合は境界確定測量をする必要があるので、今回はその流れを解説しますね。

情報収集

境界確定測量と同じで、まずは情報収集です。土地の謄本、地積測量図、字図(地図)、市や県に備え付けの資料などを集めます。ここで隣地との立会いを省略できるかどうかが大体分かります。できない場合は普通に境界確定測量する流れに入ります。

境界確定測量については上に貼った記事に書いたのでそちらを参照してください。この後は境界確定測量が終わったという前提で話を進めていきますね。

分筆計画をする

土地の境界が決まったら、その土地をどのように分けるのかを依頼人と話し合います。たいていの場合は依頼人=ハウスメーカーですね。今からそこに家を建ててお客さんに売りたいわけです。

道路から6mのところで半分に切って~みたいな感じで頼まれるので、その通りにCADで計算をして図面を作ります。この図面のことを分筆計画図と言ったりします。何度か依頼人とやり取りをして土地の切り方を決めていきます。

杭打ち

土地の切り方がはっきりと決まったら、現地に境界標識を設置します。この作業を杭打ちと言ったりしますね。境界標識というのはこのようなものです。

現地を見てここに境界があるんだな、と一目で分かる目印をつけるんですね。杭打ちが終わったらその写真を撮って終わりです。

地積測量図を作る

最初にやる作業は地積測量図を作ることです。こんなのです。

出典:「地積測量図」って何?法務局で取得できる? 土地面積がわからないときの方法は? | 住まいのお役立ち記事

CADを触ったことがない人にとっては結構ハードルが高いですが、慣れればそんなに難しくないです。パソコン作業に慣れているなら3か月もあれば描けるようになります。

てかCADの性能がすごすぎるので、スキルはそんなにいらないですねw誰でも書けると思います。

だいたい3時間もあればできると思いますよ。早い人だと1時間くらいです。

申請書を作る

出典:不動産登記の申請書様式について

次は法務局に提出する申請書を作ります。この手続きをお願いします~と法務局にお知らせする書類です。今はオンライン申請と言ってネットで手続きを済ませることが多いので、そのパターンで紹介しますね。(昔は紙でした)

申請書を作る専用のパソコンのソフトがあります。いくつか種類があるのですが、有名どころだと表(しるす)かBBCですね。細かい機能は省略します。

これらのソフトを使って土地の所在とか持ち主の名前なんかをポチポチと入力していきます。必要な部分が全部埋まったらチェックをして完了です。

調査報告書の作成

出典:不動産の登記申請書類をExcelで作成(A4版横書)新_不動産調査報告書対応

これは土地家屋調査士試験では出てきません。実務では登記申請をする際に「調査報告書」というものを作成します。法定添付書類(=法律で提出が義務付けられているもの)ではないのですが、実際は必ず作成しますね。

調査報告書の内容は今回分筆する土地についての詳しい情報です。申請書にも土地の所在や申請人の名前なんかは載っているのですが、その情報よりももっと詳しい内容になっています。(お隣さんの名前とか立会日とかですね)

登記の審査は登記官が行っているのですが、調査報告書がないと現地の様子がよく分からず、登記官が実際に現地を見て調査をしないといけなくなるのです。登記官も忙しいので、そんなめんどくさいことはしたくありません。

なので現地の詳しい報告書を提出させて、現地調査の省略をしたいわけです。そのための書類が調査報告書ですね。

申請する

書類が全て整ったらいよいよ法務局に登記の申請をします。完全オンラインの申請なら書類を全部PDFにしてネット経由で送信するだけです。ボタン一つで終了なので、実際に法務局に行く必要はありません。便利な世の中ですな~

半ライン(半分オンライン)なら申請はネットだけど添付書類は直接、法務局に持ち込むっていうパターンになりますね。完全オンライン申請の方が簡単なのですが、図面が紙で残らないので、それが嫌な調査士は半ラインで申請するみたいです。

あとはアナログだから使い方がよく分からんという人は半ラインの人が多いですね。

登記完了証の発行

登記官の書類の調査が終わったら「手続きが終わったぞ~」というお知らせが表やBBCのソフトに届きます。登記が完了すると「登記完了証」というものが発行されます。

書類の内容は「今回、このような登記をしましたよ」というお知らせみたいなものです。これが発行されたら分筆の登記は終了です。提出した地積測量図も法務局に備え付けられたので、発行手数料を払えば全国どこでも誰でも閲覧できるようになります。

分筆登記の費用

最後に分筆登記の費用についてお話しておきます。ピンキリなのですが、境界確定測量をしなくてもいいパターンだと6万円くらいです。土地が広かったり、分け方が複雑だったりすると少し高くはなります。

境界確定測量→分筆登記の流れだと30万円以上はかかると思った方がいいですね。ちなみに地積更正の登記も分筆登記の流れと似ています。

分筆計画図と杭打ちが不要なだけです。他はほとんど同じですね。さて、今回は分筆登記の実務的な流れをお話しました。

次回は地目変更について説明しますね。

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