
「記述式が難しすぎて絶望した…」
「数学が苦手だから計算で詰む…」
多くの独学者がここで心を折られますが、原因は「全部まとめて攻略しようとするから」です。
記述式は「3つの単純作業」に分解すれば、独学でも十分に満点を狙えます。
土地家屋調査士試験の天王山である「記述式(書式)」。
配点が高く、ここを攻略できない限り合格はありません。
この記事では、独学合格した私が実践した「計算・申請書・作図」という3つの壁の壊し方と、それを最短で突破するための「アガルート活用戦略」を解説します。
- なぜ予備校は「アガルート」一択なのか
- 文系でも勝てる「計算(複素数)」の攻略法
- 独学最大の鬼門「作図」を動画で完コピする技
- ① 計算:関数電卓(F-789SG)と基礎ロジックを固める
- ② 申請書:「ひな形50」をエア書式で周回
- ③ 作図:アガルートの単科講座で「プロの動き」を盗む
- ④ 演習:東京法経学院の過去問で「現場対応力」を磨く
独学派に「アガルート」を推す3つの理由
私は「基本は独学派」ですが、記述式のパーツ(特に作図と計算)に関しては、部分的に予備校を利用することを強く推奨しています。
その際、LECや東京法経学院ではなく「アガルート」を選ぶべき明確な理由があります。
アガルートを選ぶべき理由:
- ① 動画の「視点」が神がかっている
他社の動画は画質が古かったり、引きの映像が多いですが、アガルートは「真上からの手元カメラ」で高画質です。プロがどう定規を回しているか、筆圧はどうかが一目瞭然です。 - ② 推奨電卓(F-789SG)が同じ
私が推奨する最強コスパ電卓「Canon F-789SG」を、アガルートの中山講師も愛用しています。
LECも同機種を使っていますが、アガルートには「[中山式]複素数計算」という専用講座があり、この電卓に特化した操作フローが確立されています。
「教わっている内容」と「手元の道具」が完全にリンクするのは、独学者にとって最大の安心材料です。 - ③ 「単科講座」が充実している
LEC等はパック売りがメインでさらっと流す印象ですが、アガルートは「数学」「複素数」「定規(三角定規付き)」と、独学者の「ここだけ知りたい」をピンポイントで深掘りしてくれます。
【第1の壁】計算(数学アレルギーの克服)
- 難易度: ⭐⭐⭐⭐⭐(文系には高い壁)
- 勉強期間: 2週間〜1ヶ月
- 必要なもの: 関数電卓(F-789SG)、記述式計算ステップ講座
計算問題は、以下の2ステップで成り立っています。
- 立式(数学的思考):図を見て「どの公式を使うか」ひらめく力
- 入力(コマンド操作):電卓に数値を打ち込む作業
「関数電卓の操作さえ覚えれば勝てる」と思っていませんか?
実は、数学が苦手な人が躓くのは、電卓を叩く前の「どの公式を使えばいいか分からない(立式できない)」という段階です。
【実話①】「バリバリ文系」だった私の苦悩
偉そうなことを書いていますが、実は私もバリバリの文系出身です。
学生時代から数学が大の苦手で、数字を見るだけで嫌気が差すほどの「数学アレルギー」でした。
受験当時、いきなり過去問の計算問題に挑みましたが、ハードルが高すぎて絶望しました。
解説に書いてある数式がなぜそうなるのか理解できず、恥を忍んで中学生の甥っ子に数学を聞きに行ったこともあります。
それくらい、初学者がいきなり「過去問」レベルの計算に挑むのは無謀であり、最大の挫折ポイントなのです。
【実話②】「中学数学」からやり直して消えた若者
逆に、「基礎からやらなきゃ」と真面目すぎて失敗した例もあります。
これは私が知る補助者の男性(20代)の話です。
彼は将来の独立を夢見て勉強を始めましたが、最初に手を出したのは「市販の中学・高校数学のテキスト」でした。
「非効率だからやめろ」という忠告も聞かず、「基礎が大事だから」と数学の勉強に没頭。
しかし、彼がやっていたのは「数学」であって「受験勉強」ではありません。
結果、2年連続で不合格。あれほど高かった志は折れ、彼は業界自体を去ってしまいました。
社会人には時間がありません。「遠回り」は命取りになります。
結論:「試験に出る計算」だけをやる
数学を基礎からやり直そうとして、一般の参考書に手を出すのは絶対にやめてください。
彼のように「試験に出ない知識」まで勉強することになり、時間がいくらあっても足りません。
数学アレルギーの人が選ぶべきは、「調査士試験に出る計算だけ」を「易しいレベルから」学べる教材です。
アガルート「記述式計算ステップ講座」の強み:
- 無駄が一切ない
「試験に出る公式」以外は徹底的に省かれています。最短ルートで点数に直結します。 - 階段(ステップ)が緩やか
いきなり過去問のような難問は出ません。やさしい問題からスタートし、徐々にレベルを上げていくので、数字嫌いの人でも無理なく「公式の使い方」がマスターできます。 - コンパクトで挫折しにくい
要点がまとまっているため、短期間で「立式の壁」を突破できます。
「過去問で絶望する」のも「中学数学で迷子になる」のも避けてください。
まずはこの講座で計算の土台を作ること。ここさえ乗り越えれば、あとは電卓が答えを出してくれます。
【第2の壁】申請書(高配点の恐怖)
- 難易度: ⭐☆☆☆☆(やることは丸暗記)
- 重要度: ⭐⭐⭐⭐⭐(間違えると即不合格)
- 教材: 試験に出る書式ひな形50(アガルート)
一発アウトの恐怖を知る
申請書はただの暗記ですが、配点が異常に高いです。
特に書き出しの「登記の目的」を間違えると、その後の添付書類や登録免許税もすべて連鎖して間違えるため、一撃で不合格ラインまで落ちます。
「択一は満点だったのに、申請書の勘違い一つで落ちた」という受験生は山ほどいます。
最強の時短学習「エア書式」
申請書を毎回紙に書いて練習していませんか?それは時間の無駄です。
私が実践していたのは「エア書式(脳内解答)」です。
- 問題文を読む
- 脳内で申請書を埋める(または主要部分だけメモする)
- すぐに解答を見て合っているか確認
慣れれば1問5分で回せます。
申請書は「知っているか知らないか」だけの勝負。作図の練習期間に入っても、1日3回はエア書式を行って記憶を維持してください。
【第3の壁】作図(独学最大の難所)
- 難易度: ⭐⭐⭐⭐⭐(動画なしでは厳しい)
- 必要なもの: アガルート「新・定規の使い方講座」
静止画で「動き」は盗めない
2018年の受験時、私はテキストの図解(静止画)を見て独学で練習しましたが、模試を受けるまで「自分の変なクセ」に気づけませんでした。
我流の作図は「遅い」上に「疲れる」のです。
作図だけは、プロの手の動き(動画)を買ってください。それが結局一番安上がりです。
まずは「無料動画」で雰囲気を見るのもアリ
作図がどんなものか知りたいだけなら、LECの無料YouTube動画を見るのも一つの手です。無料で基礎の基礎は学べます。
しかし、合格レベルの「スピード」は手に入りません。
無料動画はあくまで「お試し」です。「試験時間内に書き終えるための時短テクニック」や「減点されないための細かな定規捌き」までは網羅されていません。
趣味で図面を書くならLECで十分ですが、人生を賭けた試験で勝ちに行くなら、最初から体系化されたアガルートの有料講座で「プロの型」をインストールすべきです。
【重要】1月現在の戦略:今は「待ち」が正解
ここで重要な戦略をお伝えします。
本記事で推奨しているアガルートの「新・定規の使い方講座」ですが、例年1月末頃まで年度切り替えのため販売停止になります。
では、どうするか?
答えは「焦らず待つ」です。
講座が出るまでの間、中途半端に市販本で自己流を覚えるのは危険です。
今のうちに「①計算(数学)」と「②申請書」を完璧に仕上げておいてください。
これらが仕上がっていれば、1月末から作図を始めても十分間に合います。余裕がある人は択一式の過去問を8割仕上げておけば完璧です。
【第4の壁】演習(実戦・答練)
パーツ(計算・申請書・作図)が揃ったら、最後は組み立てる練習です。
ここでは過去問ストックが豊富な東京法経学院の教材を使います。
まずは「東京法経学院」で基礎体力をつける
いきなり過去問に入る前に、まずは市販のテキスト(東京法経学院)で演習量を稼ぎます。
- 記述式合格演習テキスト
いきなり過去問は難しいので、まずはこの入門問題集で「解く手順」を定着させます。
- 記述式過去問マスター
次に本丸である過去問に入ります。これを最低3周、できれば5周して「見た瞬間に手が動く」レベルまで仕上げてください。
過去問は「覚えてしまう」のが欠点
過去問マスターの周回は必須ですが、2周目以降は答えを覚えてしまっているため、「時間配分」や「パニック対応」の練習にはなりません。
最後は「答練」で現場対応力を磨く
本試験では必ず「見たことのない難問」が出ます。
これに対応するには、予備校の答練(模試)を受けるしかありません。
「解けない問題が出た時にどう捨てるか」「周りがうるさい環境で集中できるか」。
この泥臭い実戦経験だけは、独学では得られません。直前期は必ず答練を受けてください。最低でも添削付きの模試は必須です。

よくある質問(FAQ)
Q.数学が完全な素人ですが大丈夫ですか?
電卓操作は覚えられても、式を立てられずに詰む可能性があります。
不安な方は、アガルートの「記述式計算ステップ講座」で基礎ロジックから入ることを強くおすすめします。急がば回れです。
Q.申請書が覚えられません。
書いて覚えるのは最初だけです。回数を重ねて「条件反射」で出てくるまで脳に刷り込みましょう。
Q.アガルートの定規講座が売っていません。
その間に計算と申請書を固めるのが「賢い戦略」です。変に自己流を覚えるより、真っ白な状態でプロの指導を受けたほうが習得は早いです。
Q.独学で記述式は攻略できますか?
すべて独学でやることも不可能ではありませんが、合格までに余計な時間がかかります。「時間を買う」つもりで、作図講座だけは利用するのが合格への近道です。
まとめ:記述式は「順番」がすべて。今日からこのロードマップで進めてください
記述式が難しく感じるのは、3つの作業を同時に処理しようとしているからです。攻略のポイントは、次の順番で「各パーツをバラして潰すこと」です。
STEP1:計算(立式と電卓)を固める
- まずは数学的思考と、F-789SG の操作に慣れる。
- 「問題文を見てどの式を立てるか?」が分かれば、記述式の半分は終わりです。
- 最短で終わらせるなら、アガルートの「記述式計算ステップ講座」などで土台を作るのがおすすめです。
STEP2:申請書を「エア書式」で回転させる
- やることは暗記ですが、ミスをすると一気に点数を失う高リスクパートです。
- 机に向かう時間は最低限にして、通勤時間などは「エア書式」でひたすら回転数を稼ぎます。
- 紙に書く練習は 1日1回でも十分。それ以外は脳内で解答していきましょう。
STEP3:作図は動画で「手の動き」をインストールする
- 作図だけは、本や静止画だけで独学するのが非常に難しい分野です。
- 最初にプロの手元動画を見て、定規の動かし方・力加減・視線の動きまで「完コピ」するのが最短ルートです。
- そのうえで、毎日1枚ずつ土地・建物を交互に書いていけば、徐々にスピードと精度が上がっていきます。
STEP4:演習で「現場対応力」を仕上げる(東京法経学院)
- 計算・申請書・作図の3パーツが形になってきたら、最後は総合問題で仕上げます。
- 問題数が豊富な東京法経学院の「記述式合格演習テキスト」や「記述式過去問マスター」で、本試験レベルの問題に慣れておきましょう。
- とくに模試や答練など「初見問題」での練習は、時間配分と捨て問判断を鍛えるのに効果的です。
最後に:自分の「一番弱い壁」から壊していけばOK
記述式に漠然とした不安を感じるのは、「計算・申請書・作図」を一気に何とかしようとしているからです。まずは自分の弱点がどこかを見極めて、今日から
- 計算(立式と電卓)
- 申請書(エア書式)
- 作図(動画+毎日1枚)
- 東京法経学院の教材で演習
という順番で、一つずつ壁を壊していってください。積み上げ方さえ間違えなければ、記述式で合格点を取ることは十分可能です。
東京法経学院の演習教材
アガルートの単科講座

