
この記事では、土地家屋調査士試験の試験内容を「超初心者でもイメージできるように」実物の書式イメージ(申請書・図面)つきで整理しつつ、独立8年目の現役調査士としてどこが山場で、どう攻略すべきかまで本音でまとめます。
【結論】土地家屋調査士試験(午後の部)の試験内容
- 試験時間:150分(例年:午後1時〜3時30分)
- 科目:3つ(択一式 / 記述式(建物)/記述式(土地))
- 配点:合計100点(択一式 : 50点+建物 : 25点+土地 : 25点)
- 最大の山場:記述式(土地)の計算と作図(=焦ると崩壊しやすい)
試験に受かった「だけ」の話ではなく、実務をやっている立場から合格に直結する山場を重点的に解説します。
※大前提:この記事は「午後の部」を中心に解説します
土地家屋調査士試験には午前の部と午後の部がありますが、多くの受験生は午前免除(測量士補など)を利用して午後の部のみを受験します。
午前免除の仕組みはこちら:土地家屋調査士試験の午前の部を免除する方法
土地家屋調査士試験の試験内容(科目・配点・時間)を全体像で把握する
まずは全体像を「見える化」します。土地家屋調査士試験の科目ごとの特徴を掴むと、どこに時間と労力を投下すべきかが明確になります。
| 区分 | 内容 | 配点 | 山場 | 攻略の要点(現役の本音) |
|---|---|---|---|---|
| 択一式 | 5肢択一×20問(民法/不動産登記法など) | 50点 | 時間の使いすぎ | 「30〜35分」で抜けて記述式の時間を死守する |
| 記述式(建物) | 申請書+図面(建物図面・平面図など) | 25点 | 転記ミス/計算ミス | 区分建物の壁厚補正などもあり。安定得点源にする |
| 記述式(土地) | 申請書+地積測量図+座標計算 | 25点 | 計算での立ち往生 | 関数電卓が必須。詰まったら部分点を拾う戦術へ切替 |
時間配分で悩む方はこちら:土地家屋調査士試験の時間配分|150分で完走する戦術
択一式(マーク式):試験内容・科目・配点
択一式はマークシート方式(5肢択一)で全20問出題されます。1問あたり2.5点なので、配点は合計50点です。
- 第1〜3問:民法(総則、物権、相続など)
- 第4〜20問:不動産登記法および土地家屋調査士法
択一式で時間を溶かすと、最後に来る記述式(土地)が時間切れになり、不合格になるパターンが非常に多いです。まずは「止まらずに解き切る」能力を磨いてください。
択一式の具体的な攻略法:土地家屋調査士試験の択一式勉強法
記述式(建物):試験内容(正確な転記と算出が求められる)
記述式(建物)は、問題文の条件に従って登記申請書と図面を手書きで作成します。配点は25点です。
「建物は計算がない」と誤解されがちですが、記述式(建物)でも電卓を叩く場面は多々あります。特に「区分建物(マンション)」が出題された際は、与えられた数値から壁厚を差し引いて床面積を算出するなど、正確な計算能力が求められます。これらを誤ると減点の対象となります。
- 申請書:建物表題登記/滅失登記/区分建物など(年度により変動)
- 図面作成:建物図面・各階平面図など(定規を用いた作図)
【記述式(建物)の回答イメージ】

▼ 記述式(建物)の図面(各階平面図・建物図面)を見る

記述式(土地):試験内容(関数電卓が「必須」の最大山場)
記述式(土地)は本試験最大の山場です。配点は25点。建物と同様に申請書と地積測量図を作成しますが、最大の違いは高度な座標計算が必要になり、計算ミスが芋づる式に大きな減点を招く点です。
【記述式(土地)の回答イメージ】

▼ 記述式(土地)の地積測量図を見る

普通の電卓では「不可能」。関数電卓一択です
記述式(土地)の計算(座標値や辺長の算出)に、普通の事務用電卓を使うのは事実上不可能です。三角関数(sin/cos/tan)を扱うため、関数電卓は必須です。さらに「複素数計算」を使いこなせるかどうかで、解答速度に数十分の差が出ます。
記述式の「採点」について(白紙による大幅減点を避ける)
記述式は採点者(採点委員)によって採点されます。試験の性質上、以下のポイントを理解しておくことが重要です。
- 減点方式:記述式は、完璧な答案(満点)から、誤字・脱字・計算ミス・作図ミスなどを差し引いていく「減点方式」で採点されます。
- 白紙回避が鉄則:「計算が合わないから」と図面を諦めて白紙で出すのは最悪の選択です。白紙は大幅な減点を招き、合格は絶望的になります。
- 部分点の死守:たとえ計算や作図が未完成でも、方位・境界標・所在地など、判明している情報を正確に書き込むことで、減点を最小限に抑えることが合格ラインへの到達に不可欠です。
口述試験:試験内容(筆記合格後の「最後の一踏ん張り」)
筆記試験に合格すると、例年1月下旬に口述試験(面接形式)が行われます。登記官らによる個人面接で、不動産登記法・調査士法に関する基本知識が問われます。
筆記試験が終わると気が抜けがちですが、細々とでもいいので択一式を解き続けておくと、口述対策が非常に楽になります。もし「今はテキストすら見たくない」というなら、せめて本番の1〜2週間前から集中して頻出質問リストを叩き込んでください。
現役調査士が語る:試験知識は「実務」で一生使える武器になる
土地家屋調査士試験は、他の国家資格よりも試験知識がダイレクトに実務に直結します。私は合格後に実務の世界に飛び込みましたが、以下のような場面で「勉強していて良かった」と心から感動しました。
- 他士業からの信頼:司法書士などから登記の流れ(地目や建物の種類)を聞かれた際、試験知識があれば即座に正確な回答ができ、プロとしての信頼を得られます。
- 実務への順応:先輩の説明を聞くとき、「あ!これ試験でやったやつだ!」と点と点が繋がる瞬間のときめきを今でも覚えています。資格(知識)があるだけで、実務を覚えるスピードは数倍早くなります。
- 一生モノの資産:測量方法などは現場で学ぶ部分も多いですが、登記関係の知識は合格後も毎日使い続ける「最強の資産」になります。
次にやるべきこと:合格までの最短距離を確認する
土地家屋調査士試験の内容がイメージできたら、次は「合格までの順番」を決めるフェーズです。
まとめ:試験内容を知るだけで、勉強の優先順位は決まる
- 午後の部は150分・3科目(択一式/建物/土地)
- 配点は合計100点(択一式 : 50点 + 建物 : 25点 + 土地 : 25点)
- 最大の山場は記述式(土地)(座標計算+作図)
- 試験の知識は実務で一生使う「最強の資産」になる
まずはロードマップで、勉強の順番を固めてください。


