こちらは2020年度受験の人向けの記事となります。
最新版はこちらです。
土地家屋調査士試験に対応している予備校を調べてるんだけど、どうやって選べばいいのか分からない!
オススメの予備校があるなら教えてほしい!
そんな疑問にお答えします。
調査士試験の合格者の大半は予備校を利用しています。
予備校のことが知りたいならまずはネットで調べると思いますが、色んな学校があって講座もそれぞれ違って・・・かなり分かりにくいですよね。
そんな中で今回は「ニーズ別に3社」だけ調査士試験に対応している予備校を紹介します。
どういう基準で選ぶべきかという話からオススメの3社の話です。料金の比較などもあるので分かりやすいと思います。
10分くらいで読めます。
この記事を書いている私は現役の土地家屋調査士です。半年の独学で試験に一発合格しています。
土地家屋調査士試験に対応している予備校は5社ある
土地家屋調査士試験に対応している予備校はこちらです。
- 東京法経学院
- LEC(東京リーガルマインド)
- アガルートアカデミー
- 日建学院
- 早稲田法科専門学院
それぞれの特徴をざっくりとまとめてみました。
東京法経学院
- 資格試験の予備校でかなり有名
- 創業50年以上の老舗であり、受講生も多い
- 他に比べて料金が高めに設定してあるが、知名度が高いので受験生に人気がある
- 毎年、夏に模試をやっている
- 授業はちょっと退屈な感じかも
LEC(東京リーガルマインド)
- 東京法経学院の次に有名な予備校
- 約40年前に設立
- 東京法経学院と同じく士業の試験に強い
- 料金は平均的な感じ。講座+答練の組み合わせだと一番安い
アガルートアカデミー
- 2015年に開校したばかりなので歴史は浅いがここ数年で急成長中
- 通学での講座はなく、授業は全て通信講座
- 講座の料金はダントツ安い。答練はちょっと割高
- 無料の資料請求で13時間分の講座が視聴できる
- スマホでもパソコンでも講座が見れる
- テキストがフルカラーなのでかなり見やすい
- 動画は3倍速まで可能
日建学院
- 建築系の資格試験に強い予備校
- 知名度はあまりないが、一応、全国展開している
- 料金は平均~やや高め。自宅で受ける模試は一番安い。(一回あたり5,000円)
早稲田法科専門学院
- 5社の中で一番マイナーな学校
- 校舎が東京にしかないので地方在住の人の通学は無理
- 料金はやや高め
講座の選び方には3種類ある
あなたはどれに当てはまりますか?
- まずは基礎的な授業だけを受けてみたい→講座だけを選ぶ
- 基本的な知識から本試験のレベルまで学びたい→講座と答練がセットのものを選ぶ
- 基本的な知識はあるので演習問題だけでいい→答練だけの講座を選ぶ
答練は複数回行われる模試のことです。答練に申し込むと本番通りの問題を毎週解くことができます。
どの学校を選ぶにしても、まずはどこから勉強をスタートさせるかをハッキリさせたほうが良いです。
例えば、あなたが調査士試験の学習初心者なら、基礎から学べる講座と答練を受けたほうがいいです。
逆に、学習経験があって基本的な知識はすでに身についている人なら、答練だけを受ければいいと思います。
※答練の価格の比較は別の記事で詳しくまとめています。
通学にするか、通信にするか
アガルートアカデミー以外は通学と通信のどちらも選べます。
近くに校舎があるなら通学でもOKです。
通学と通信のメリットとデメリットを簡単にまとめておきます。
自分のニーズに合ったものを選びましょう。
通学のメリットとデメリット
【メリット】
- 生の授業を聞けるからモチベーションが続きやすい
- 自宅だと集中できない人でも勉強できる
- 小さいお子さんがいる家庭でも教室で集中して勉強できる
- 自習室が使える
- 勉強仲間ができやすい
【デメリット】
- 授業の日程が固定されている(毎週土曜になど)
- 校舎に通うのがめんどくさい
- 通学できる地域が限られている
通信のメリットとデメリット
【メリット】
- わざわざ学校に通う必要がない
- 自宅で好きな時間に勉強ができる
- 動画での授業なので分からない部分は巻き戻せる
- ネット環境があれば通勤中もスマホで授業が受けられる
【デメリット】
- 好きな時間に勉強ができるので、ついついサボってしまう可能性がある
- その場で講師に質問ができない(質問はネットか電話でする必要がある)
- 勉強仲間ができにくい
教育訓練給付金制度について
働く人の主体的な能力開発の取組みを支援し、雇用の安定と再就職の促進を図ることを目的とする雇用保険の給付制度です。
雇用保険の被保険者期間が3年以上の対象者が厚生労働大臣指定講座を受講し、修了した場合、本人が支払った教育訓練経費の20%(上限10万円)に相当する額が給付金としてハローワーク(公共職業安定所)から支給されます。
引用:LEC
◆対象者
雇用保険の被保険者の期間が3年以上ある人。
次の【1】又は【2】のいずれかに該当し、厚生労働大臣が指定する講座を一定の受講修了要件を満たして修了した方です。
【1】雇用保険の被保険者(在職者)
【2】雇用保険の被保険者であった方(離職者)
対象者は受講料の20%が戻ってくる可能性があります。自分が該当するかをチェックしておきましょう。
アガルートアカデミー以外はこの制度を利用できます。
【教育訓練給付が利用できる予備校】
- LEC
- 東京法経学院
- 日建学院
- 早稲田法科専門学校
講座によっては制度の利用ができないことがあるので気を付けて下さい。
制度の詳細はLECのページが分かりやすいので貼っておきます。
土地家屋調査士試験のオススメ予備校
予備校名 | 料金 | 授業時間 | 内容 | 講座名 | 添削 |
LEC | 320,100円 | 172 | 基礎講座+答練6回+模試2回 | 初学者向け 免除資格者Aコース | 〇 |
アガルートアカデミー | 173,600円 | 123 | 基礎講座(答練は別途79,800円(全6回)) | 入門総合講義/入門総合カリキュラム | × |
東京法経学院 | 264,000円 | 75 | 基礎講座+答練6回+模試2回 | 土地家屋調査士2020 新・最短合格講座 | 〇 |
日建学院 | 380,000円 | 不明 | 基礎講座+答練20回 | 本科Webコース | 不明 |
早稲田法科専門学院 | 352,000円 | 不明 | 基礎講座+答練12回 | 調査士総合Aパーフェクトコース | 〇 |
※すべて正規料金で計算。授業時間は計算できる範囲で算出しています。多少の誤差があるかもしれません。
アガルートアカデミー以外は全て答練や模試がセットになっています。測量士補の所有者または独学で取得する場合の初学者向けの基礎講座です。
金額は通信講座で統一していますが、通学でも大差ないです。(DVD版だと若干高くなります)
まとめるとこんな感じですね。
- LEC:講座と答練をセットで受けたい人向け。同じ予備校で全て完結するので手続きが簡単
- アガルートアカデミー:講座の費用をおさえたい人向け。動画とテキストが一番見やすい。他で答練を受けるならかなりオススメ
- 東京法経学院:料金は気にせず、知名度と実績を重視する人向け。夏前から始める短期コースがあるので長期間勉強するのが苦手な人にオススメ
日建学院や早稲田法科専門学院を選んでもよいですが、料金や知名度を考慮しても選ぶメリットはあまりないと思います。
もちろん、これらの予備校に通ってもOKですよ。自宅から通える人は選んでも大丈夫です。
ということで他の3社の詳しい比較をみていきましょう。
※今回紹介する予備校はすべて通信講座に対応しています。通学をしなくてもいいので、新型コロナウイルスの影響を受けずに学習を進めることができます。(通学だと休校する場合があります)
LECとアガルートアカデミーの比較
どちらも無料で講義が見れる
アガルートアカデミーもLECも無料で見れるサンプル講義があります。
アガルートアカデミーの場合は資料請求をすると「入門約10時間」と「演習約3時間」が無料で見れます。
私も実際に請求してみましたが、スマホでもパソコンでも見れるし倍速もできるのでオススメです。無料なのでとりあえず試してみるのが良いかなと思います。
※申し込みをした時点でスマホで講義が見れます。テキストのサンプルと資料は3日後くらいに郵送されてきました。
LECも会員登録をするとサンプル講義が見れます。
公式:アガルートアカデミー
公式:LEC
料金を比較
両者の料金はこのようになっています。
予備校名 | 料金(正規) | 授業時間 | 内容 |
アガルートアカデミー | 248,000円(※) | 123 | 講座のみ |
LEC | 320,100円 | 172 | 講座+答練6回+模試2回(講座と答練とのセットのみ) |
アガルートアカデミーの講座は5社の中で最安値です。ただし、オンライン完結なので教室での授業がありません。(※アガルートアカデミーは通学の講座がありません)
教室を持たないからこそ破格の料金設定なわけですが、なかには教室に通いたいという人もいると思います。
そんな人はLECの教室に通いつつ学習するのもありだと思います。
答練を受ける場合の比較
初心者向けの講座と答練を受ける場合はこのような料金になります。
予備校名 | 料金(正規) | 内容 |
アガルートアカデミー | 317,000円 | 講座+答練6回(添削なし) |
LEC | 320,100円 | 講座+答練6回+模試2回(添削あり) |
アガルートアカデミーには講座と答練がセットになっているものがありません。
アガルートアカデミーで講座と答練を受けたいならこれら2つを別々に申し込む・・・という形になります。両方を足した料金が317,000円です。(※セール期間中に申し込めば24万円ほどになる)
なので、初心者向けの講座と答練を同じ予備校で受けたい人はLECを選ぶといいです。
予備校を統一したほうが手続きも楽なので。あと添削があるので答練はLECの方がオススメです。
【注意】演習こそ予備校を使うべき
注意点ですが、基礎の講座だけを予備校で受けて、演習問題は自分で調達するというパターンはオススメしないです。
理由は調査士試験の問題を市販で手に入れるのは難しいからですね。
参考:【土地家屋調査士】独学で合格した私が予備校をオススメする理由
私が知る限りですが、演習段階の勉強に使える問題集は市販だと2冊しかないです。しかもそのうちの1冊は過去問です。
演習が独学だと問題不足になることは間違いないので、基礎の段階から本試験レベルに達するまでは予備校に頼った方がいいです。予備校で答練を受けるなら十分な演習量になります。
アガルートアカデミーの講義が分かりやすい
手続きがちょっとめんどくさいですが、アガルートアカデミーの講座で基礎を学んで、答練は他の予備校を選ぶというパターンもありです。
というのも、アガルートアカデミーの講義はテンポがいいし、かなり聞き取りやすいです。テキストもフルカラーで図解が多いので見やすいんですよね。
他の予備校の講義やテキストはちょっと古臭い感じで見てると眠くなります。
情報は新しいので問題ないのですが、ちょっと退屈な感じなんですよね。個人の好みだとは思いますが・・・。
アガルートアカデミーは5社の予備校の中で一番新しい学校なので、動画もテキストも現代人が見やすい仕様になっています。
参考:アガルートアカデミーの講義(Youtubeが開きます)
テキストはこんな感じ。
ただ、アガルートアカデミーの答練は数が少ないし割高なので、答練に関しては他の予備校で受けた方がいいかなと思います。
個人的にはLECの答練がオススメですね。これはLECで実施している答練です。
答練フルパック | 全26回 | 177,650円 |
答練スタンダードパック | 全16回 | 146,300円 |
答練直前パック | 全10回 | 104,500円 |
LECは答練の種類が多いので自分にあったものを選べます。実績もあるし、他の予備校に比べて価格が平均的なので選びやすいです。
個人的にはスタンダードか直前パックで十分だと思います。
ここまでのまとめ
- アガルートアカデミー :通信講座が最安値。答練を別の予備校で受けるならかなり安い
- LEC :通信講座と答練の組み合わせなら一番オススメ。基礎から実践まで対応している
東京法経学院はだれにオススメ?
「土地家屋調査士試験といえば東京法経学院」みたいなイメージが強いですね。
東京法経学院は多少料金が高くても実績や知名度を重視したい人にオススメです。
私の周りの調査士も東京法経学院を使っていた人が割と多いです。
私自身も模試は東京法経学院で受けています。
LECもそこそこの知名度なのですが、東京法経学院の方が有名です。
ちなみに料金はこんな感じ。約半年の短期コースなら約38万円、1年以上の長期コース+答練だと約60万円です。(※短期だと授業回数が少ないから安い)
土地家屋調査士 新・最短合格講座 | 380,600円 | 講座(短期)+答練8回 |
土地家屋調査士 本科2021 +合格直結答練2021(総整理・速解答練含む)パックコース | 599,500円 | 講座(長期)+答練21回 |
短期集中型向けの講座がある
夏前から勉強を始める人は短期コースである「土地家屋調査士 新・最短合格講座」を受講してもいいと思います。
このコースは基礎学習の講義時間が75時間しかありませんが、他の予備校に比べて最速で合格できるようにカリキュラムが組まれています。
アガルートアカデミーは123時間、LECは172時間の講義があるので基礎学習を終えるのにちょっと時間がかかります。
講義の時間が長い=解説が丁寧であることには間違いないのですが、短期間で合格したい人には不向きです。
その点、東京法経学院の「土地家屋調査士 新・最短合格講座」は時間が足りない人や夏前にバタバタ勉強を始める人に向いています。
講義時間が75時間というと、1日3時間くらい動画を視聴すれば25日程度ですべての講義を見終わります。
そこから1ヵ月間は復習をして、ある程度の基礎が身についた後に演習をするという形にすれば、かなりサクサク学習を進めることができますね。
模試と答練が最初からセットになっている
この講座にはもともと答練と模試がついているので、このコースと過去問をやれば半年~8か月くらいで合格できると思います。
さらに、総整理・速解答練もついているのでかなりお買い得ですね。
総整理・速解答練とは、最後の総まとめみたいなものです。全5回で択一式60問、記述式12問を解答します。
アウトプットに重点を置いているコースなので、短期集中型の人にオススメです。
このような最短の講座は他の予備校にはないので、パパっと勉強を終わらせたい人は選んでみるといいです。
東京法経学院の他のコースに比べてもかなり安いですね。
まとめ:予備校は安すぎる
以上、3社の予備校をまとめてみました。
予備校を使えば最低でも20~30万円くらいかかりますが、実際に試験に受かって独立してしまえば簡単に回収できるはずです。
実際に独立した場合の報酬はこんな感じ。(実体験)
- 境界確定測量:30~50万円。広い土地なら100万円を超える
- 建物表題登記:一棟で10万円
- 建物表題部変更登記:一件5~10万円
これを見れば予備校にお金を払ってもすぐに回収できることが分かるかと思います。
ずっと調査士事務所に雇われたままだと、自分がどれだけ利益を上げても給料はほとんど変わりません。
100万円を売り上げても、給料は30万円のまま・・・これじゃあ、むなしいと思いませんか?(実際マジでこんな感じです。ボーナスなんてほぼないんですよね~)
サクッと受かって独立をして稼いだ方が、サラリーマンよりは確実に楽です。通勤をしなくてもいいし、会社に搾取されることもなくなります。
実際、私の周りでも独立・開業して食っている人は山ほどいます。例えば、不動産会社や司法書士から月に1件の確定測量を30万円で受注すれば普通に食えるわけです。
参考:土地家屋調査士じゃ食えない?実際の仕事内容と報酬額を紹介!
とはいえ、調査士試験は割と難易度が高いので何年も落ち続けている人が多いのも事実。
予備校を使えば1年~2年くらいで受かる試験なのでこの機会に試してみてください。
この記事で紹介した予備校リスト
- LEC :講座と答練を同じ予備校で受けられる
- アガルートアカデミー :資料請求で無料視聴キャンペーンあり。講座のみなら断トツの最安値。他で答練を受けるなら一番費用を抑えられる
- 東京法経学院:割高だけど実績重視なら選んでもよし。5社の中で唯一、短期集中コースがある。夏前から勉強を開始しても間に合う