これから土地家屋調査士試験の勉強を始めるんだけど必要な道具ってある?何か買わなきゃいけないんでしょ?
オススメがあるなら教えてほしい!
そんな疑問にお答えします。
土地家屋調査士試験は図面を書いたり申請書を書いたりする試験なので、一般的なマーク式の試験よりも多くの道具が必要になります。
今回はこれから勉強をしようという人のために、私が実際に使っていた道具(筆記用具を含む)をご紹介します。
何を買えばいいのか全く分からないという人はこれから紹介するものと同じものを買えばとりあえずは大丈夫ですよ。
勉強していくうちに自分に合うものが分かってきます。
この記事を書いている私は現役の土地家屋調査士です。半年の独学で試験に一発合格しています。
こちらの記事は動画で見ることができます。
土地家屋調査士試験でおすすめの道具を紹介!
シャーペン
当たり前ですがシャーペンは必要です。
調査士試験では択一式と記述式があるのでそれぞれ別々のシャーペンを使ったほうがいいです。
問題によって使い分けたほうが効率よく解答ができます。試験内容がよく分からない人はこちらをどうぞ。
参考:【5分で分かる】土地家屋調査士試験の試験内容《受験経験者が詳しく解説》
択一式
択一式はマーク式の問題です。問題は2.5点×20問あります。
マーク式ではマークシートの正解の個所を塗り潰す必要があります。
↑こんな感じですね。センター試験をイメージして頂ければ分かりやすいと思います。
後述しますが、記述式の問題では0.3mmの細いシャーペンを使います。
0.3mmのシャーペンではマークシートの塗りつぶしに時間がかかってしまい、大幅なタイムロスになってしまいます。
土地家屋調査士試験は試験時間がギリギリで1分1秒を争う闘いです。
参考:【土地家屋調査士試験】合格に必須な時間配分を確認しよう《択一・建物・土地》
マークを塗り潰すという単純作業はさっさと終わらせて、問題を熟考する時間をたっぷりとった方がいいですよね。
あと、芯が細すぎるシャーペンは消しゴムで消えにくいです。
消し痕が残った場合は不正解にされる可能性があるので注意ですね。
ということでマークを塗り潰す時は芯が太いシャーペンを使いましょう!
私が愛用していたのは0.9mmのシャーペンです。(画像上)
鉛筆並みに太いので一瞬でマークできます。
メーカーは何でも良いと思いますが、ダイソーやセリアなどの100均に売っているものは、グリップ部分が硬くて長時間持っていると指が痛くなります。
オススメはグリップ部分が柔らかくて長時間持っていても疲れにくいモノです。
ちなみに私はパイロットのシャーペンを10年くらい愛用しています。
土地家屋調査士試験だけではなく他の試験もこのシャーペンで受験しました。
ちなみに芯はHBかBか良いですよ。
公式でもHBかBが推奨されているので、替え芯はどちらかを購入しておきましょう。
硬めが好きならHB、柔らかめが好きならBを買えばいいと思います。
記述式
続いては記述式です。先ほども言いましたが、記述式では作図をする必要があります。
土地家屋調査士試験では土地の図面と建物の図面を自分で描く必要があります。
このような図面の中身を自分で埋めていかなければいけません。
この図面は最終的にはボールペンで清書をして解答用紙を提出します。
一発でペン入れをしてしまうと間違った場合に面倒なことになるので、まずはシャーペンで下書きをします。
その際に使用するのが0.3mmのシャーペンです。
私はMONOのシャーペンとZEBRAのDelguardを使っていました。(画像上)
Delguardは筆圧が強すぎても芯が折れにくい構造になっています。
0.3mmはかなり細い芯なので普段通りにペンを走らせてしまうと、すぐに芯が折れてしまいます。
そのたびに芯を出すのは非常に面倒ですし、時間のムダです。
なので普段の筆圧が強くて芯を折ってしまうことが多い人はDelguardを使うことをオススメします。
とはいえ、作図に慣れてくると力加減も分かってくるので折れることは少なくなってきます。慣れてきたら自分が好きな商品を使っても良いと思います。
ちなみに私はMONOのシャーペンも使っていました。こちらは製図用のシャーペンです。建築士が使っているようなものですね。
見た目がかっこいいので使っているとテンションが上がります(笑)
ボールペン
清書用のボールペンです。ボールペン選びは非常に重要です。
速乾性があまりないものを使うと、定規を動かしたときにインクが滲みます。
解答用紙が汚れても修正液なんて使えないので気を付けてください。
また、筆圧が強い方は線も太くなってしまうため、そのあたりも検討する必要があります。
最近は乾きやすくて書きやすいペンが増えてきています。
オススメは「ぺんてる ゲルインキボールペン エナージェル BLN73-A 0.3mm」です。↓
ジェットストリームの0.38mmでも大丈夫です。↓
私はぺんてるを使っていましたが、他の受験者に聞くとジェットストリームを使っている人も結構いました。
どちらも替え芯が販売されているのでインクがなくなったら中身だけを買えばOKです。
本体を買うよりも安いので中身だけを買ったほうがコスパがいいです。というのも、調査士試験はたくさん作図をするのでインクの減りがかなり早いです。
自分が書きやすいと思うペンが見つかったら替え芯も何本かストックしておくと良いですよ。
ちなみに図面の線の太さは法令上では0.2mm以下とされています。
試験ではペンの太さを厳密に指定されているわけではありませんが、極力細いものを選んだ方が良いです。
よほど太くなければ減点されないので絶対に0.2mmで書かなければいけないというわけではないです。
(疑問)ボールペンは申請書用と図面用とで分けるべき?
試験では図面だけでなく申請書の解答用紙もボールペンで書く必要があります。
申請書とは上に貼っている画像のようなものです。
載せているものは法務局で実際に使われている申請書の記入例です。
試験では問題文を読んで申請書の中身を自分で埋めていく必要があります。
人によっては図面用のペンと申請書用のペンとで分けて使っている人もいますが、個人的には同じものを使って良いと思います。
わざわざペンを選んで持ち替えるのは手間がかかります。使い分けるメリットも特にないので同じもので良いですよ。
どうしても書きにくい場合は変えてもいいですが、とりあえずエナージェルの0.3mmを使ってみるといいです。
蛍光ペン・色鉛筆
土地家屋調査士試験は、他の試験とは異なり色付きのペンの使用が認められています。
使用方法は人によりますが、問題文にマークをして分かりやすくしたり、図面に色をつけて見やすくしたりしています。
私は、最初のころは消せる色鉛筆を使っていたのですが消し残しが多かったので、途中からフリクションペンに変えました。愛用していたのはパイロットの蛍光ペン(オレンジ)です。
滲まないし消えやすくて便利です。本試験までに合計で3本くらい使いました。
予想問題や過去問を何回も解いていると色分けしなくてもスムーズに解けるようになり、本試験では全く使いませんでした。
ただ、慣れていない内は色分けが出来た方が断然見やすいですし、頭の中が整理されやすいのでミスが減ります。
使うものは蛍光ペンや色鉛筆なのですが、オススメは「消せるもの」です。
というのも試験で提出する解答用紙に誤って色ペンがついてしまった場合に消せないと困るからです。
減点対象となるかもしれないので解答用紙を汚してもすぐに綺麗に出来るものを選びましょう。
全円分度器とコンパス
コンパスや全円分度器があると安心です。ほぼ使わないと思いますが、過去問ではコンパスを使うと便利な問題がありましたので、念のため持ち込んだほうが良いでしょう。
試験専用のものはないのでAmazonで適当に買えばいいです。
コンパスはダイソーやセリアなどの百均にもあるのでそれで十分です。私は一応、Amazonで評価がよかったものを買いましたが結局2回くらいしか使っていないです。もったいないので安いヤツを買ってOK。
三角スケール
三角スケールです。業界用語でいうと「サンスケ」です。縮尺によってクルクルと定規を回転させて使います。
図面を下書きした後にその長さが本当に合っているのかを確認する際に使用します。
最後のチェック用って感じですね。持っている方が便利かもしれませんが、私はほとんど使っていません。
というのも後述する三角定規でも線の長さは測れるんですよね。
三角スケールはメモリがついているので読みやすいですが、慣れれば三角定規で確認ができるようになるので一応持っておく程度の認識でOKです!
ホームセンターの建築コーナーや測量コーナー辺りに売っています。無い場合はAmazonで買いましょう。
ちなみに三角スケールは実務では結構使います。土地家屋調査士や測量士として働く気があるなら買っても無駄にはなりません。
消しゴム
当たり前ですが消しゴムも必要です。
試験では図面を完成させる際にシャーペンで下書きをした線を全て消す必要があるので、かなりの広範囲に消しゴムをかけます。
結構な量の消しカスがでます。それから摩擦が強すぎると解答用紙が破れます。
オススメというか王道のMONOの消しゴムを使うといいです。まとまるくんは紙との摩擦が強いので個人的にはあまり好きではなかったです。
三角定規
図面に線を引くときに使います。
調査士試験用のものではない普通の三角定規を使っている人もいますが、目盛が読みにくく作図がしにくいのでオススメしません。というか縮尺が合わないので使ってはいけません。
試験用の三角定規は見てすぐに縮尺が分かりますし、ミスが減らせます。
試験用の三角定規を販売しているところは4か所あります。
- 東京法経学院
- LEC
- アガルートアカデミー
- 早稲田法科専門学院
縮尺定規「すいすい君、すらすらチャン」(東京法経学院)
実際に私が使用していた三角定規です。私は東京法経学院のものを使っていました。
近くに東京法経学院の校舎が無かったのでオンラインショップで買っています。
結構お高めですが、先ほども言った通り普通の安い三角定規では図面が書きづらいので、試験用を買う以外の選択肢はないです。
LECオリジナル「スベらない!合格三角定規」(LEC)
LECの三角定規はもともと、裏に滑り止めがついています。なので、自分で手を加えなくてもすぐに使用することができますね。(普通の三角定規は自分で滑り止めの加工をしないと使いづらい)
東京法経学院よりも若干高いですが、滑り止めが欲しい人はLECにしましょう。
公式のオンラインショップで買えます。
オリジナル三角定規「SUGOOOI」(アガルートアカデミー)
※注意:現在は三角定規だけを買うことができなくなっています。講座を受講すれば購入できます。
アガルートアカデミーでも三角定規が販売されています。試験用に作られている三角定規であれば、たいした差は無いのでどれでもいいです。
試験直後はメルカリやヤフオクなどで販売している人がたまにいるので、タイミングが合えば中古で安く手に入れることも可能です。
三角定規(縮尺目盛り付き)(早稲田法科専門学院)
今回紹介する中では一番安い三角定規です。価格は1,650円になります。
送料が地域によって違いますが、おおよそ800~1,200円ほど。私はこの三角定規を使っている人を見たことがありませんが、安いので買ってみてもいいと思います。
(補足)裏にテープを貼ろう
三角定規は新品の状態で使うと紙の上で滑ります。
予防策としては裏側に透明のビニールテープを貼ることです。貼る箇所は赤線部分(三角定規の外周)です。
神経質になって綺麗に貼る必要はありません。適当で大丈夫です。
定規の目盛が擦れて消えるのも防ぐことができるので、買ったらすぐにテープを貼るといいですよ。ちなみに透明のテープはダイソーなどの百均に売っています。
関数電卓
関数電卓の購入にあたってはいくつかポイントがあります。
- 複素数計算ができる
初学者はわからないと思いますが、複素数計算っていうのをできる電卓があるんです。この複素数計算ができないと非常に面倒です。
- 交点計算ができる
交わる点の座標を求める計算ができる機能です。これがあると計算が捗ります。
- メモリ数が多い
座標値、辺長や方向角などを電卓に記憶することができる機能です。これがあると、打ち間違いを防ぐことができますし、計算時間を短縮することができます。 メモリが10以上あれば安心です。
この3つを満たす電卓がオススメです。
本試験において、関数電卓は2台まで持ち込むことが可能です。メインで使うモノと保険でもう一台という感じでOKです。
注意点ですが、調査士試験で使える関数電卓の機種は決まっています。
募集要項をよく読んで自分が持っているものが使えるかをチェックしておいてください。
※試験前に関数電卓の検査があるので公式で認められているもの以外は持ち込めません。
Canonの「F-789SG」がオススメ
私の一押しは、メモリ機能が豊富なCanonの「F-789SG」です。19個もあるので非常に便利です。(画像左)
CASIOの「fx-375ES」という機種も有名です。(画像右)
この機種はメモリー数が9個しかないので通常の計算をする際には少し心細いですね・・・
私は「F-789SG」と「fx-375ES」のどちらも持っていました。
「F-789SG」で普通の計算をして、「fx-375ES」で交点計算をするって感じですね。
メモリーが多いほうを普段使いにするといいです。たくさん記憶させることができるのでメモリー不足にならずに済みます。交点計算ではそんなにメモリーはいらないです。
※調べたところF-789SGはF-789SG-SL、という名称で販売されているようです。どちらも試験に対応しています。
※fx-375ESは生産終了しています。後継機種は「fx-375ESA-N」になります。後継機種でも土地家屋調査士試験に対応しています。
まとめ
当たり前ですが、使い慣れた道具を持ち込むのが一番です。
なので、早めに自分に合うものを見つけましょう。どれを選んでいいのか分からない人はとりあえずは今回紹介したものを買えばいいです。
私がこの道具で独学で合格しているので安心してください。
※直定規は現在は使用禁止となっています。
道具をそろえたら、次はテキストを購入しましょう。私が使っていたものはこちらです。