
- 「テキストすら不要?とりあえず過去問だけやればいい?」
- 「演習は過去問だけで足りるのか不安…」
- 「もう過去問はやった。次に何をすべき?」
土地家屋調査士試験を調べ始めた多くの人が、まずこの疑問にぶつかります。
結論から言います。
土地家屋調査士試験は「過去問だけ」では合格できません。
これは根性論ではなく、試験構造そのものがそうなっているからです。
私自身、「過去問重視派」で勉強していました。
しかし調査士試験では、それだけでは決定的に足りないことを痛感しました。
- 過去問だけでは合格できない本当の理由
- 過去問は何年分やるべきか
- 過去問の限界を超えるために必要な次の一手
【目安】過去問は何年分やるべきか?
「過去問だけで合格は厳しい」という前提でお話ししますが、基礎体力として必要な量は明確にあります。
結論から言うと、最低でも10年分です。
なぜ10年分なのか
土地家屋調査士試験の出題は、数年単位でサイクルしています。
- 5年分 → 論点が足りない
- 20年分 → 法改正前の知識が混ざる
このバランスが取れるのが「直近10年分」です。
- レベル1:直近10年分を完璧にする
- レベル2:平成17年(新不動産登記法)以降を網羅
- レベル3:余裕があればそれ以前(※法改正注意)
それでも「過去問だけ」で頭打ちになる理由
① 問題文に「慣れているだけ」になる
過去問は周回するほど、サクサク解けるようになります。
しかしそれは、
- 論点を理解したから
- 文章を覚えただけ
この2つが混ざっています。
同じ論点でも出し方を変えられた瞬間、「知っているはずなのに解けない」という現象が起きます。
② 択一 → 記述の「本番の流れ」を経験できない
調査士試験は、
- 択一 → 記述
- 2時間半ノンストップ
という一連の流れが試されます。
しかし実際の勉強では、
- 最初は択一だけ
- 後から記述
という分断学習になりがちです。
「一度解いた過去問を時間制限付きで解けばいいのでは?」
という質問もよく受けますが、これはほぼ意味がありません。
初見で最も時間がかかるのは、
- 問題文の読解
- 解き方の構築
一度解いた問題では、この時間がゼロになるからです。
③ 「法改正」以前の過去問が足を引っ張る
過去問学習の最大の罠がこれです。
民法・不動産登記法は近年、所有者不明土地問題など大きな改正が続いています。
古い過去問をそのまま覚えると、
「昔は正解、今は不正解」
という知識を刷り込む危険があります。
私の実体験:過去問8年分では足りなかった
私は過去問を8年分ほぼ完璧に仕上げました。
その状態で、メルカリで入手した答練(約10回分)を時間制限付き・自己添削で解いてみました。
結果は、
基準点+2.5点(=1問分)
しかも、時間は全く足りませんでした。
時間内に解き切れるようになったのは、答練を5〜6回こなした後です。
それでも、基準点を大きく超えることはほぼありませんでした。
ただ、今振り返ってはっきり言えるのは、
重要なのは「どこで手に入れたか」ではなく、
「初見の問題を、時間制限付きで解く経験ができたか」
この一点です。
過去問を何周しても埋まらない差は、初見対応力でしか埋まりません。
なお、私は当時「完全独学でやり切る」という意地と、正直なところ金銭的な事情から中古答練を使いました。
しかし現在の視点で言えば、最低でも一度は正式な答練・模試を受ける価値はあると断言できます。
結論:過去問は「基礎」、合否を分けるのは次の一手
- 過去問は最低10年分がスタートライン
- 過去問だけでは「初見対応力」が育たない
- 合否を分けるのは、初見問題を時間内に解く経験

