
- 「土地家屋調査士の独学は無理」と言われる本当の理由
- 完全独学(無課金)にこだわると逆に遠回りになる理由
- 合格者が実践した「お金をかける所・削る所」の戦略
「土地家屋調査士 独学 無理」
これから試験勉強を始めようとしている方が、検索窓にこう打ち込みたくなる気持ちはよく分かります。
結論から申し上げます。
土地家屋調査士試験は、独学でも合格は可能です。
ただし、完全無課金(市販本のみ)・完全に一人で挑むのは、ほとんどの人にとって現実的ではありません。
「独学は無理」という噂を検証するために、市販テキスト中心の学習で挑み、半年で合格しました。
しかし、すべてを無料にするのは非効率です。
「どこにお金をかけ、どこを削るのが最短ルートか」、実体験に基づいたリアルな戦略を包み隠さずお伝えします。
私自身、基本は市販テキストを使った「独学」で半年合格しましたが、決して「予備校ゼロ・無課金」だったわけではありません。
メルカリで安く手に入れた答練教材や、予備校の公開模試にはしっかりお金を使いました。
なぜなら、「独学だからこそ、お金を払ってでも他人の力を借りないと突破できない壁」があることに気づいたからです。
【まずは自己診断】
以下に3つ以上当てはまる方は、完全独学だと挫折する可能性が高いです。
- 法律の文章を読むのが苦手・眠くなる
- 自分で計画を立てても、途中で崩れがち
- 質問できないと理解が止まってしまう
- 記述式の自己採点(どこで減点されたか)ができない
この記事では、完全独学という茨の道で遠回りをした経験を持つ筆者が、多くの受験生が挫折する「4つの壁」と、それを乗り越えるための「賢いお金の使い方」を解説します。
理由1:教材選びという「最初の罠」
独学の最初にして最大の壁が「教材選び」です。
私が受験生だった頃、市販のテキストは「帯に短し襷に長し」なものが多く、初学者が「どれが正解か」を見極めるのは困難でした。
当時は「入門編」と書いてあるのに中身は難解な専門用語だらけ…というテキストを買い込み、時間を無駄にしました。
「情報の取捨選択」ができない恐怖
独学の何が怖いかというと、「試験に出ないことまで一生懸命勉強してしまう」ことです。
予備校のカリキュラムは、プロが「ここは出る」「ここは捨てていい」と選別してくれています。
しかし独学の場合、その判断を自分自身でやらなければなりません。
私は手当たり次第に勉強して遠回りをしましたが、今振り返れば「必要な教材」はもっと絞り込めました。
勉強が下手な人や、効率よく進めたい人は、ここでお金を惜しむと後で痛い目を見ます。
理由2:質問できない「情報のブラックボックス」
勉強を進めると、必ず「なぜこうなるの?」という疑問にぶつかります。
しかし、独学には質問できる相手がいません。
ネットの「素人解説」は信じるな
「分からなければググればいい」と思うかもしれませんが、土地家屋調査士の試験範囲(特に不動産登記法や民法の一部)は非常にニッチです。
検索しても、ヒットするのは個人のブログや知恵袋ばかり。そこには「素人の間違った解釈」が溢れています。
間違った知識を正しいと思い込んで覚え、本番で失点する…。これが独学の最も怖いパターンです。
確実なのは、一次情報(法務局の通達など)か、プロの予備校講師の解説だけです。
理由3:スケジュールの「正解」が見えない
私は受験前、綿密にスケジュールを組みましたが、毎日が不安との戦いでした。
- 「このペースで本当に間に合うのか?」
- 「今は基礎をやっていていい時期なのか?」
独学には、客観的なペースメーカーがいません。
どんなに勉強しても、「方向性が合っているか分からない」というプレッシャーが試験当日まで続きます。
「とりあえず巻いて(急いで)やる」しか対策がなく、精神的にかなり消耗したのを覚えています。
理由4:孤独との戦い(モチベーション維持)
実はこれが最大の壁かもしれません。
勉強は孤独です。特に社会人の勉強は、誰も褒めてくれません。
私は幸い、同時期に資格勉強をしているパートナーがいたので、「今日ここまでやった」と報告し合うことでストレス解消ができましたが、完全に一人の戦いだったら挫折していたかもしれません。
「勉強慣れ」していない人ほど独学は危険
厳しいことを言いますが、土地家屋調査士を目指す方は、現場仕事などの経験者が多く、いわゆる「勉強慣れ(座学の習慣)」がないケースも少なくありません。
「自分は完全独学・無課金で受かったから予備校はいらない」と豪語する合格者もいますが、彼らは元々勉強が得意だったり、高学歴だったりする「生存者バイアス」の塊である可能性があります。
自分のタイプを見誤り、彼らの言葉を鵜呑みにして完全無課金を選ぶと、合格まで何年もかかることになります。
現代の予備校は「孤独」を解決している
最近の予備校は進化しています。
例えばアガルートアカデミーには「バーチャル校舎」という機能があります。
【アガルートのバーチャル校舎とは?】
オンライン上の空間にログインすると、そこが自習室になります。
講師が待機していればその場で質問もできますし、他の受講生が勉強している様子も分かるため、「一人じゃない」という感覚でモチベーションを維持できます。
合格後の「横の繋がり」も財産になる
また、予備校を利用する隠れたメリットに「合格祝賀会」があります。
ここで出会った同期合格者は、独立開業した後も「良き相談相手・仕事仲間」になります。
完全独学だと、この貴重な「横の繋がり」を作りにくいのが現実です。
結論:自分のレベルに合わせて「お金」を使え
ここまで「独学の壁」を解説してきました。
重要なのは「自分はどのレベルの受験生なのか」を見極め、必要な部分にだけお金を使う「戦略的独学」をすることです。
【条件】
✅ 暗記が得意・法律の文章を読むのに抵抗がない
✅ 自分で計画を立てて修正できる
このタイプの人は、基本は独学(市販テキスト)でOKです。
ただし、記述式の添削だけは自分ではできません。
「記述式の基礎講座(単科)」+「答練・模試」だけにお金を使い、試験を自分より格下の存在にする(圧倒的実力をつける)のが最短ルートです。
\ 独学でもこれだけは必須 /
【条件】
✅ 何からやればいいか分からない
✅ 計画を立てるのが苦手・民法も初学者
このタイプの人は、迷わず最初から「予備校(フルパック)」を選んでください。
「何をすればいいか悩む時間」が一番の無駄です。
カリキュラム、スケジュール、質問環境をすべてお金で買い、勉強だけに集中するのが合格への近道です。
\ 独学が厳しい人はこちら /

