
- 「昔の試験の方が難しかった」と言われる3つの背景
- ベテラン調査士のアドバイスを鵜呑みにすると落ちる理由
- 合格者が語る「現代の試験」に必要な生存戦略
土地家屋調査士の試験勉強をしていると、ベテランの調査士や先輩からこんな言葉を聞くことはありませんか?
「昔の試験はもっと難しかった」
「今は関数電卓も進化してるし、合格しやすくなったよな」
これを聞いて「あ、今は簡単な試験なんだ」と油断するのは絶対にNGです。
ベテラン調査士から「昔の方が難しかった」と聞かされて不安になっていませんか?
確かに昔は難関でしたが、今の試験には「現代特有の難しさ(スピード・情報処理)」があります。
最新の試験傾向を攻略して短期合格した視点から、その「3つの誤解」を解きます。
現役の土地家屋調査士として断言しますが、試験の難易度は下がっていません。「難しさの質」が変わっただけです。
むしろ、情報収集能力やスピードが問われる現代の試験において、古い価値観のまま挑むのは「武器を持たずに戦場に行く」ようなものです。
この記事では、昔と今の試験の違いを分析し、「ベテランのアドバイスをあえて無視すべき理由」について解説します。
昔の試験が「難しい」と言われる3つの理由
まず、今のベテラン調査士の先生方が「昔は大変だった」と言うのは、決して嘘やマウントではありません。
当時の受験環境は、今とは比べ物にならないほど過酷だったからです。主に以下の3点が「難しさ」の正体です。
① 情報がなく孤独な戦いだった
現在はスマホひとつで「複素数計算の使い方」や「合格者のブログ」が見られますが、当時はネット情報など皆無です。
分からないことがあっても調べる手段がなく、独学で突破するのは至難の業でした。
② 便利な道具がなく「根性論」だった
今は「複素数モード」搭載の関数電卓がありますが、昔はありません。
数学的な知識を駆使し、泥臭い計算を根性でやり抜く必要がありました。
③ 実務を知らないと突破できなかった
昔の試験は今よりもさらに「実務家(弟子)のための試験」という色が強く、事務所で働いて実務を知っている人が圧倒的に有利でした。
完全未経験者がゼロから学ぶハードルは、今よりも高かったと言えます。
これらはあくまで「受験環境(道具や情報)」の難しさであり、試験問題そのものの質の話ではありません。
現代の試験には、環境が整った今だからこその「別の過酷さ」が存在します。
【断言】今の試験の方が「過酷」な3つの理由
つまり、現代の試験は「努力量」ではなく、 努力の方向が合っているかをシビアに選別する試験になっています。
では、現代の試験は何が難しいのか?
それは「道具や情報があること」を前提とした、人間の処理能力の限界を試すような構成になっている点です。
1. 「複素数前提」のスピード勝負
今の試験は、複素数計算などの「効率化テクニック」を使うことが前提の難易度設定になっています。
ベテランの方(合格して15年以上の方)と話をすると、驚くことに「複素数計算を知らない」という方がほとんどです。
彼らは関数電卓を持っていますが、その真価を発揮させず、普通の電卓として使っています。
もし今、受験生が彼らと同じ「昔ながらの計算方法」で本試験に挑んだらどうなるか?
間違いなく時間が足りずに落ちます。
現代の試験は、ITリテラシーのある若手が「最新の武器(複素数)」を使って、ようやく時間内に終わるかどうかのギリギリを攻める戦いです。
2. 図面作成の「完走」ハードル
「今はPCで作図するから、手書きの試験なんて意味ない」という意見もありますが、試験では依然として手書きの作図が求められます。
しかも、土地・建物のどちらか片方でも「白紙(書ききれない)」であれば、その時点で不合格が確定します。
どんなに計算が合っていても、図面として完成していなければ採点すらされません。
計算量が激増している中で、図面のクオリティも維持して完走しなければならない。このプレッシャーは相当なものです。
3. 「情報格差」が合否を分ける
昔は「勉強すれば受かる」試験でしたが、今は「正しい情報を取れるか」も試されています。
- 法改正の情報を追えているか?
- 「複素数」という効率的な解き方を知っているか?
- 予備校の出す「最新の出題トレンド」を知っているか?
これを知らずに、古いテキストだけで勉強している独学者は、スタートラインに立つ前からハンデを背負っている状態です。
なぜベテランのアドバイスには「毒」があるのか
ここが一番重要です。
これから合格を目指すあなたが、ベテラン調査士のアドバイスを全て真に受けると、「実務には詳しくなるが、試験には受からない人」になってしまいます。
「六法全書や、認定基準(地目認定・建物認定)を読み込みなさい」
先輩方はよくこう言います。
「実務になったら頻繁に使うから、今のうちに読んでおけ」と。
確かに、実務の世界ではこれらの知識は必須です。辞書のように頻繁に使います。
しかし、「合格するための勉強」としては時間の無駄でしかありません。
試験に出る知識は決まっています。一問解くたびにいちいち六法を引いて調べているような勉強法では、膨大な範囲をカバーできず、一発合格など不可能です。
これらは「受かってから身につければいい知識」であり、受験生の貴重な時間を割くべき対象ではありません。
令和の試験に受かるための「生存戦略」
今の試験で勝ち残るために必要なのは、昔ながらの根性論ではなく、徹底的な「効率化」です。
① 予備校選びで「世代間ギャップ」を知る
年配の調査士に「どこの予備校がいい?」と聞くと、ほぼ全員が「東京法経学院」と答えます。
なぜなら、彼らが受験した時代にはアガルートなどのオンライン予備校が存在せず、「予備校といえば東京法経学院」だったからです。
もちろん東京法経学院は素晴らしい実績のある老舗ですが、もしあなたが「複素数計算」をゼロから学びたいなら、計算テクニックに定評のあるアガルートの方が相性が良い場合もあります。
「先輩が言ったから」ではなく、「今の自分のスタイルに合うか」で選んでください。
② 独学なら「情報」を自分で狩りに行く
もし独学で挑むなら、テキストに書いてあることだけを信じてはいけません。
市販のテキストの多くは、昔ながらの計算方法で解説されています。
私のブログのように、ネット上にある「最新の合格者のノウハウ(複素数など)」を自分で見つけ出し、取り入れるスキルが必須です。
まとめ:過去の武勇伝より、今のデータを信じろ
繰り返しますが、試験は簡単になっていません。 戦い方をアップデートできない人が、確実に落ちる試験になっただけです。
昔の試験には昔の難しさがあり、今の試験には今の過酷さがあります。
確かなのは、「昔の戦い方では、今の試験には勝てない」ということです。
ベテランの先生方へのリスペクトは持ちつつも、勉強方法に関しては「最新のツール・カリキュラム」を選んでください。
それが、最短で合格して、彼らと同じ「実務家」の土俵に上がるための一番の近道です。
ここまで読んで「自分は古い勉強法をしていたかもしれない」と少しでも感じたなら、次の一手を間違えないでください。

