
- 記述式の配点は建物25点+土地25点(合計50点)
- 迷ったら目標は建物22点+土地18点(合計40点)
- 土地は白紙にせず、空欄を作らない(とにかく埋めて提出物を完成させる)
この記事では、記述式(書式)で土地と建物を何点ずつ取りにいくのが合理的かを、基準点(足切り)と「失点しやすい箇所」の実務目線で整理します。
土地家屋調査士試験の記述式(書式)は、建物と土地の2問が出題され、申請書の作成と作図(図面)を行います。
どちらも25点ずつで、合計50点です。
この記事では「何点ずつ取れば合格が近づくか」だけでなく、守るべき場所/深追いを切る場所もあわせて解説します。
※記述式は「書式」と呼ばれることもあります。
記述式(書式)の配点は建物25点+土地25点(合計50点)
記述式の配点は以下のとおりです。
- 建物:25点
- 土地:25点
合否は総合点(択一式+記述式)で決まりますが、同時に基準点(足切り)があり、ここを下回ると不合格が確定します。
記述式の基準点(足切り)は直近5年で30点前後
まずは直近の基準点(記述式の足切り)を確認しておきましょう。
| 年度 | 記述式基準点 |
|---|---|
| 令和2年度 | 30.0 |
| 令和3年度 | 30.5 |
| 令和4年度 | 34.0 |
| 令和5年度 | 29.0 |
| 令和6年度 | 31.5 |
記述式の基準点は、多くの年で30点前後に設定されています。
この点数は土地と建物の合計点なので、記述式全体で6〜7割を超えるのが一つの目安です。
【注意】 空欄は「取り返しがつかない失点」になりやすい:
採点基準が公式に公表されているわけではありませんが、空欄・白紙は評価対象になりにくく、失点を回収できません。正誤はさておき、まず申請書と図面を“埋めて”提出物を完成させる意識が重要です。
理想の配点は?迷うなら「建物で稼ぐ」
ここからが本題です。私が考える、再現性が高い目標配点は次のとおりです。
- 択一式:40点以上 / 50点
- 建物:22点以上 / 25点
- 土地:18点以上 / 25点
狙いは「建物で高得点を安定させ、土地は深追いしない」です。
択一式が安定して高い人は、土地が多少崩れても合格圏に残る場合があります(年によります)。
なぜ建物で点数を稼ぐべきか
建物は、土地と比べて点数がブレにくいのが最大の理由です。
建物が安定しやすい理由:
- 計算量が少なく、ミスが連鎖しにくい
- 申請書・図面が「型」で処理できる割合が高い
- 練習の成果が点数に直結しやすい
土地は計算と作図が重く、途中のミスが連鎖しやすいです。努力量のわりに「失点の読みにくさ」が残るため、同じ25点なら建物で回収した方が効率がいいという結論になります。
建物で満点に近づける最短ルート
【建物で点を落とさない練習の方向性】
- 申請書テンプレを完璧にする(問題を見た瞬間に書けるレベルまで周回)
- 図面は作業化する(手が勝手に動くレベルまで描く)
- 区分建物は計算難度が上がるので、非区分建物だけでなく普段から混ぜて練習する
- 本試験想定の演習では「早く切り上げる練習」をする(建物が5分早く終わるだけで土地が一気に楽になる)
土地は捨ててもいい?結論「深追いは切る。ただし地積は重い」
土地を「捨てる」とは、白紙にすることではありません。時間が溶ける部分を切るという意味です。
【土地で“重い”要素(落ち方が大きい)】
- 申請書の中核(登記の目的・原因・原因日付など)
- 地積(申請書に記載する地積):計算の集大成で、どこかが崩れると連鎖しやすい
- 添付情報(添付書類の整合)
地積は「最後に出る数字」なので、途中が1つでも崩れると連鎖して落ちやすい要素です。
土地は「型」で事故を減らす(空欄ゼロが最優先)
【土地で崩れたときの“型”(優先順位)】
- 穴埋めは落とさない(語群がある問題は必ず埋める)
- 単発計算は拾えるだけ拾う
- 図面・申請書は正誤より空欄を作らず提出物を完成させる
土地の時間配分と「デッドライン」
土地は、時間配分を先に決めておくと深追いしにくくなります。
【土地の目安時間】
- 問題文の把握と整理:10分
- 申請書および解答欄の記入(地積以外):15分
- 計算(座標計算):15~20分
- 作図(地積の計算含む):20~25分
作図は20分は欲しい工程です。逆算すると、計算で詰まり続けると後が一気に苦しくなります。
計算が20分を超えて詰まると、作図の時間が削られて体裁すら整えづらくなります。計算が25分を超えると、全体的な完成度が厳しくなる可能性が高いです。図面が白紙になりそうなら、計算は20分で切るくらいの基準を持っておくと安全です。
(体験談)座標計算で時間を溶かしたが、撤退したことで生き残った
私が受験した年、本試験で座標の計算をミスして計算時間が大幅にオーバーしました。
そこで途中で割り切って、急いで図面と申請書の体裁を整え、最後に申請書の地積を書きました。
そこで運が良かったのが、その年の地目が雑種地だったことです。
宅地であれば小数点以下まで(100分の1㎡まで)の記載が必要ですが、雑種地は1㎡単位で足ります。私は小数点前の数字が合っていたため、結果的に地積が致命傷になりませんでした。
あとで解答を見て冷や汗が出たのですが、座標計算自体は間違っていたのに、その座標で計算を進めた地積が偶然にも正解していました。
もしも、計算にこだわり続けていたら、図面も申請書も空欄が増え、さらに危険だったと思います。記述式は撤退ラインを持つだけで生存率が上がります。
採点基準はどうなっている?「減点方式」なので先に守る場所がある
記述式は基本的に減点方式です。持ち点25点からミスに応じて点数が引かれるイメージです。
公式の細目は公表されていませんが、失点が大きくなりやすい“芯”があります。
失点が大きくなりやすい(優先して守る):
- 登記の目的
- 登記原因(原因日付を含む)
- 添付情報(添付書類の整合)
土地の事故を減らすには「複素数計算」が近道
土地の計算・作図が苦手な人ほど、まずは計算の事故を減らす仕組みを作る方が早いです。
独学で戦うなら、複素数計算ができる関数電卓を前提にした方が練習効率が上がります。
参考:複素数で「方向角・辺長・地積」を一気に処理する手順(F-789SG)
自信がない人は予備校も選択肢
土地家屋調査士試験は、計算と作図が重く、市販教材だけで進めにくい面があります。
独学が不安な場合は、最初から予備校を使って「練習量」を確保するのも合理的です。
まとめ:配点で迷うなら「建物を固めて、土地は深追いしない」
- 記述式は建物25点+土地25点(合計50点)
- 基準点は直近5年で30点前後。まずは6〜7割を安定させる
- 建物で点を稼ぎ、土地は「空欄ゼロ」「計算は20分で切る」を基準に事故を減らす

