
土地家屋調査士試験の学習費用は、ざっくり言うと「独学のみ」「予備校フル」「独学+答練・模試(併用)」の3パターンに分かれます。
このページでは、必要な支出の全体像と、費用で失敗しやすい落とし穴(教材を買い足して満足→演習不足→再受験→結局高い)までまとめます。
【3択診断】
- 最短で仕上げたい→予備校フル
- 費用を抑えて演習も確保→独学+答練・模試
- 自分で回せる(添削・演習も自力で補える)→独学のみ
【それぞれのポイント】
- 予備校フル:コース内容で差はあるが約25万〜45万円前後が目安(近年は値上がり傾向)
- 併用:独学ベースでも答練・模試に投資すると合格に近づきやすい
- 独学のみ:教材を揃えるだけで約8万〜12万円前後になりやすい(+文具・用紙印刷代など)
なお、このページでいう「独学」は、予備校の講座(通学・通信)に申し込まない学習を指します。模試を会場受験する/答練を入手して自宅で解く(購入・中古など)は、独学の範囲に含めています。
土地家屋調査士試験の勉強費用は「3パターン」で決まる
まずは全体像です。細かい内訳より先に、どのパターンが自分に近いかを決めると迷いが減ります。
| 学習パターン | 費用感(目安) | 向いている人 |
|---|---|---|
| 独学のみ | 約8万〜12万円 | 計画を立てて回せる/添削や演習を自分で補える |
| 予備校フル | 約25万〜45万円 | 初学者/管理が苦手/最短で仕上げたい |
| 独学+答練・模試(併用) | 約15万〜30万円 | 費用は抑えたいが、演習と添削の不足は避けたい |
費用で失敗しやすい典型:「教材を増やすほど、合格が遠のく」
費用の相談でよく見かける失敗が、教材を買い足して満足してしまうパターンです。
- 「次こそは」と新しい教材を買う
- しかし、今持っている教材すら読み込めていない
- 演習量が足りないまま本番へ → 不合格 → 追加投資…
土地家屋調査士試験の教材はマイナー領域で、1冊あたりの単価が高めです。教材を増やすほど出費も増えますが、合格に直結しやすいのは教材の数ではなく「使い切った量(演習量)」です。
特に、初学者が「とりあえず揃えたくなる」系の教材は要注意です。
(例:調査士六法、建物認定・地目認定など。必要性は学習段階によって変わりますが、最初から買い足す優先度は高くありません)
「今ある教材をやり切れていないなら、似た教材は買わない」(過去問2冊・基本書2冊は基本不要)。
買い直しが合理的なのは、法改正対応や版が古く構成が致命的に読みにくいなど「目的が明確な場合」だけです。
結論:教材にお金を使う前に、まずは「最小限の教材を決めて、ページを開いて、回す」。
教材が原因で落ちるというより、教材を使いこなせていないことが原因で落ちるケースが多いです。
もう1つ、独学で勉強期間が長期化すると見落としがちなのが法改正による知識のアップデートです。
勉強が年単位でずれ込むほど、内容の更新や教材の買い直しが必要になる可能性が上がり、結果として時間的にも金銭的にも損失が膨らみやすい点は知っておくと安全です。
「教材を買い足す」より先に「演習を確保」することが大事。迷ったら、まずは答練・模試などの演習(アウトプット)に投資する方が合格に繋がりやすいです。
独学の場合にかかる費用(実例:私が実際に払った金額)
ここでは、私が独学で合格した年に実際に購入したものを、できるだけそのまま載せます。
人によって増減はありますが、独学でも「0円では進まない」ことは伝わるはずです。
- テキストや問題集…73,789円(内、メルカリで買った答練は31,500円)
- 東京法経学院の模試…24,200円(5月と7月の二回分)
- 三角定規、三角スケール、全円分度器、関数電卓…13,509円
- 記述式練習用紙(東京法経学院)…2,460円
- プリンター…5,480円(解答用紙の印刷用。コンビニ印刷が面倒で購入)
合計:119,438円(シャーペン、計算用紙などの文房具は除く)
プリンターは不要な人もいるので、この分は削れるかもしれません。とはいえ、独学でも結局10万円前後はかかりやすい、というのが現実です。
使用した教材の選び方は、こちらでまとめています。
※測量士補の受験料(2,850円)と土地家屋調査士試験の受験料(8,300円)は、独学・予備校どちらでも共通なのでここでは除外しています。
独学でも「模試」と「答練」にお金を使った理由(実体験)
私は講座には申し込まず独学で進めましたが、模試と答練(演習)にはお金を使いました。
過去問は「回せる」ようになっても、本番形式(択一式 → 記述式)を緊張感のある環境で通し切る経験にはなりにくいからです。時間配分や集中力の消耗は、実戦形式で初めて正確に把握できます。
当時、会場受験の模試を受けたところ判定が厳しく、そこで危機感が一気に上がりました。
「このままだと落ちる」と判断し、演習量を増やすために中古の答練を探して追加しました。ここを補えなければ、合格は難しかったと思います。
なお、答練を中古で入手する方法は、費用を抑えられる一方で欲しい時期に最新版が手に入るとは限らないため再現性は高くありません。
確実性を重視するなら、必要な演習(答練・模試)を正規ルートで確保する方が安全です。
また、私の場合は夫婦で受験していたため、互いがペースメーカーになり、学習が自己流に偏りにくい環境でした。
独学は自由度が高い反面、自己判断が続くと甘くなりやすいので、第三者のチェック(模試の評価・添削・学習仲間)をどこかで入れるのが現実的です。
予備校に通う場合にかかる費用(相場の考え方)
予備校はコース設計が多様で、年によって価格改定もあるため、ここでは「相場の幅」で整理します。細かい数字は、公式の最新価格で確認するのが確実です。
土地家屋調査士講座を開講している主な予備校
- 東京法経学院
- 東京リーガルマインド(LEC)
- 日建学院
- 早稲田法科専門予備校
- アガルートアカデミー
費用レンジの目安(通信講座ベース)
- 初心者コース(測量士補+土地家屋調査士)…約28万〜46万円
- 初心者コース(土地家屋調査士のみ)…約28万〜38万円
- 学習経験者向けコース…約17万〜40万円
- 答練のみ…約8万〜16万円
講座選びの比較は、こちらで整理しています。
予備校を使う価値が出やすい人(費用対効果の話)
初学者が一から始める場合、独学は「教材費」よりも迷走コスト(遠回り・演習不足・計画崩壊)の方が重くなりやすいです。
- 何をどの順で進めるか決められない
- 演習の質と量が不足しやすい
- 記述式問題の添削機会が確保しにくい
独学の壁については、こちらにまとめています。
おすすめは「独学+答練・模試(併用)」:費用を抑えて演習不足を防ぐ
費用を抑えたい人にとって現実的なのは、独学を軸にしつつ、答練や模試で演習を補う方法です。
考え方:削るべきは「教材の買い足し」、残すべきは「演習」
独学の弱点は「手に入れられる問題が少ない」ことです。過去問だけでは演習不足になりやすいので、どこかで新たな問題(答練)と、緊張感のある実戦(模試)を確保するのが合理的です。
教材を増やすより、今ある教材を回し切ることが先です。演習だけは不足しないように設計すると、費用も合格率も安定します。
一発合格のために「いくらまで払えるか」で決める
最終的には、確実性(時間を買う)のためにどこまでお金を出せるか、です。
- 確実に合格に近づけたい → 予備校フル
- 費用は抑えたいが演習不足が怖い → 独学+答練・模試(併用)
- 自己管理が得意で環境も整っている → 独学のみ
「独学で進めたが、途中で厳しいと感じた」場合の判断材料は、こちらでも整理しています。
合格・独立開業までのロードマップ

