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分筆登記の流れを現役調査士が解説|確定測量から申請まで“境界が本丸”

分筆登記の流れを現役調査士が解説|確定測量から申請まで“境界が本丸”

分筆登記は「土地を分ける登記」ですが、実務の難しさは申請書よりも境界と測量にあります。

ネット上には「分筆登記の申請書の書き方」「記載例」などの情報もありますが、そもそも分筆は、本人が思いつきでできる手続きではありません。
まず前提として、分筆点には境界標を設置する必要があり、そのためには測量・計算・図面作成・立会い(合意形成)が絡みます。

ただ、検索しているあなたの目的はだいたい次のどれかですよね。

こんな疑問はありませんか?

  • 分筆登記って、何から始まって、最後に何を申請するの?
  • 確定測量は必須?地積測量図があれば省略できる?
  • 地目変更や地積更正と、どこが違うの?
  • 「申請書の記載例」を探しているけど、結局どこを見ればいい?

この記事では、現役の土地家屋調査士として、分筆登記の流れつまずきやすいポイントを、できるだけ噛み砕いて整理します。
(※本人申請を推奨する記事ではありません。分筆は、状況によっては法務局相談や専門家関与が前提になる手続きです。)

【結論】分筆は「確定測量→分筆」が基本。申請書より“境界と整合”が本丸です

  • 分筆は境界が確実に決まっていることが前提(現況と資料がズレていると止まる)
  • 立会いの前に現況測量をして、説明できる資料(現況図)を作る
  • 確定測量図は“境界を確定した成果物”(分筆点の境界標はこの段階では基本打たない)
  • 分筆点の境界標は、分筆案(分筆計画図)が確定してから、位置決定・設置する
  • 古い図面は精度差で事故りやすい(現地との整合を取るのが専門領域)
この記事を書いている人
現役の土地家屋調査士(実務経験あり)
現場では分筆・地目変更・地積更正・表題登記などを日常的に扱っています
受験生向けだけでなく、一般の方向けに「実務の流れ」を分かりやすく整理します

分筆は、書類の問題というより「境界をどう確定し、現況と資料の整合をどう取るか」が本丸です。この記事では、実務の順番と考え方がブレないようにまとめます。

分筆登記とは(何をする登記?)

分筆登記は、1筆の土地を2筆以上に分ける登記です。売買・相続・開発・資産整理などで発生します。

ただし、分筆は「線を引けば終わり」ではありません。分筆後は筆が増えるので、それぞれの地積(面積)と境界が説明できる状態にしなければいけません。

境界確定測量とは(分筆の前提)

実務上は、分筆は「確定測量が前提」と考えておいた方が安全です。

  • 境界標が欠けている/揃っていない
  • 資料が古く、現況とズレている
  • 越境など、現地の事情が絡む

こういう条件が一つでもあると、結局「境界を確定しないと前に進まない」からです。

地積測量図があれば省略できる?(例外はあるが条件が厳しい)

地積測量図があっても、そのまま現地に復元できるとは限りません。
図面が新しく精度的に信頼でき、現地にも境界標が揃い、資料と現況に大きなズレがない…など、条件が揃って初めて「確定測量なしでも進めやすい」ケースになります。

逆にいえば、条件が崩れていれば、分筆はほぼ確定測量に戻ります。

分筆登記の流れ(全体像)

① 事前調査(登記・公図・地積測量図・既存資料の整理)

まず、登記記録・公図・地積測量図などの資料を集めます。
ここで重要なのは「資料が新しいか」「現況と整合が取れそうか」「境界標は揃っていそうか」という見立てです。

② 現況測量(まず現地を測って“現況図”を作る)

次に、現地を測って現況図を作成します。
境界確認(立会い)の前に現況測量が入るのが基本です。測ったデータがないと、立会いで説明も合意形成もできません。

③ 図面化・整合(既存資料と現況のズレを洗う)

現況測量のデータを図面化し、既存資料(地積測量図など)と突き合わせます。
ここでズレが大きい場合は、現況測量の数字と現地の状況を見ながら細かく調整します。場合によっては別手続(地図訂正等)が絡みます。

④ 境界確認(立会い)→合意→確定測量図作成→境界標の設置

立会いで境界について合意を得たら、確定測量図を作成します。
確定測量図は、「現況・資料・合意内容を反映した境界確定の成果物」です。

その後、現地に境界確定図をもとに新しい境界標を設置します。

注意:この段階で分筆点の境界標(分筆標)は基本的に設置しません。
分筆点は、分筆案(分筆計画図)が確定してから、はじめて位置が確定するためです。

⑤ 分筆案(分筆計画図)の確定→分筆点の境界標設置→地積測量図作成→分筆登記申請

確定した境界を前提に、どのように土地を分けるか(分筆案)を検討し、分筆計画図として確定させます。
その後に、分筆点の位置が確定するため、ここで分筆点の境界標(分筆標)を設置します。

分筆後は新しい筆ごとに地積が決まるため、最終的に地積測量図を作成し、分筆登記を申請します。

なぜ古い図面どおりに復元すると事故るのか(精度のギャップ)

昔の測量は、現代ほど精度が出ていないものが少なくありません。
極端にいえば、昭和期の図面の中にはメジャーで当たって机上で線を引いたような精度のものもあります。

その図面どおりに現地へ復元しようとすると、現況とズレて越境や構造物の干渉が顕在化することがあります。
このときに重要なのは「計算でミリを出すこと」だけではありません。

現場では、既存図面と現況の矛盾を把握し、トラブルなく整合を取れるように“収める”必要があります。
この判断と調整が、素人には難しい専門領域です。

地積更正登記とは(分筆と混同されやすい/目的の違い)

地積更正登記も分筆登記も、現地にそのまま復元できるほどの正確な資料(地積測量図など)がなければ、確定測量が前提になります。
ここが、両者が混同されやすい大きな原因だと思います。

「登記上の地積を更正(=正しい数字にする)のになぜ測量が必要?」と思うかもしれません。
しかし、地積(=面積)を決めるということは、その土地(申請地)の境界を確実にする必要があります。

分筆も同じく、土地を割るなら、まず全体の面積を確実にし、それを基にどのように分けるか決めます。

つまり、申請地の測量をして境界を決める必要がある、ということです。
結局のところ、両者とも最初に境界を確定させる流れになりやすいのです。

地目変更登記とは(セットで出る典型)

地目変更は分筆とセットになることも多いですが、建物表題登記地積更正登記と絡むケースもよくあります。
「分筆のオマケ」と固定せず、案件全体の流れで判断するのが現実的です。

建物表題登記とは(新築・未登記建物)

新築で建物が未登記の状態なら、建物表題登記が必要になります。
土地側の登記と同時並行で進むこともありますが、要件・添付・流れが別なので切り分けて考えます。

建物表題部変更登記とは(増築・取壊し等)

増築は「建物表題登記」ではなく、原則として建物表題部変更登記の領域です。
用語が混ざると説明が崩れるので、分けて押さえるのが安全です。

申請書の「記載例」を探している人へ(まずは“見るべきポイント”だけ押さえる)

「分筆登記 申請書 記載例」などで検索している人も多いですが、分筆は書類よりも前提条件(境界と整合)が本丸です。

とはいえ、学習や確認のために「どこを見ればいいか」を先に整理しておくと迷いません。

記載例で確認すべき3点セット(準備中)

地積測量図・申請書・委任状は、実務上はCADや申請ソフトで作成するため、この記事内の画像例は現在準備中です。
代わりに、記載例を見るときに“どこをチェックするか”だけ先に置いておきます。

  • 地積測量図:分筆前後の地積の整合、図郭・方位・記号・境界標、分筆点の表現
  • 申請書:登記の目的・原因、地番の書き方、添付情報の紐づけ、代理の扱い
  • 委任状:代理権限の範囲、押印、作成日、受任者表示(事務所名等)
Q.地積測量図・申請書・委任状の「記載例」はどこで見られますか?
A. 現在、この記事内の画像例は準備中です。
分筆の記載例は、CADや申請書ソフトで一から作成する必要があり、作成でき次第この記事に追記します。
それまでは、上で整理した「どこをチェックするか」を基準に見本を確認すると、読み方がブレません。
Q.申請書の書き方だけ覚えれば、本人申請で分筆できますか?
A. 多くの場合、そこが本題ではありません。
分筆は、境界の確定・現況と資料の整合・分筆点の境界標設置などが絡みます。
「書類は書けるが前提が整わない」というケースが典型なので、まずは境界と測量の流れを押さえる方が安全です。

まとめ

分筆登記は、申請書の問題というよりも境界を確定し、資料と現況の整合を取り、分筆点を確定していく手続きです。

特に、古い図面をそのまま復元すると精度差でズレやすく、越境や構造物の干渉など「現地の事情」で事故りやすい。
この調整が、土地家屋調査士の専門領域です。

もし「分筆の前提が揃っているか分からない」「どこで詰まりそうか知りたい」という場合は、まず資料と現況の状況を整理し、確定測量が必要かを見立てるところから進めるのが安全です。

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